ついに!東大教授がダークマターの観測に成功か?【約5分で読める】宇宙の謎解明の期待かかる研究成果を東大生が解説
次に大事になるのは「反応のしやすさ」です。
専門用語で言えば、散乱断面積とか、(少し違う概念ですが)結合定数とか言われるものです。
なぜ「反応のしやすさ」が大事になるのか。それは「どれくらいシグナルが発生するか」や「ダークマターがどれくらい宇宙に残っているか」を計算する指標になるためです。
ダークマター同士がぶつかるとそれらは別の粒子になります。この別の粒子は目に見える普通の物質や光なので、私たちが観測することができます。
特に今回の論文で戸谷友則教授は「ダークマター同士がぶつかってガンマ線という電磁波に変換され、それが地球上に降り注ぐということが起きているはずである」ことを示唆していました。
とはいえ、宇宙では色々な反応が起きています。特に、他の天体起源のガンマ線が存在するため、ダークマター由来のガンマ線のみを観測するということはできません。
そのため、戸谷教授は適切な引き算をすることで、今回の結果にたどり着きました。
引き算によって得られたガンマ線
まず、使用したデータはNASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡という望遠鏡で得られたデータです。この望遠鏡は、世界最高感度で宇宙からのガンマ線を観測・蓄積することができ、戸谷教授はこの望遠鏡のデータ15年分を使用しました。
今回使用したのは、天の川銀河方向のデータです。
次の図は観測で得られたガンマ線の強度を表しており、赤や黄色の部分から「ガンマ線がたくさん放出されている」ことを示しています。
上の図を分かりやすくしたのが下の図です。図の中央の灰色部分の上下にある黄色い部分を見てください。
この図は、既知のガンマ線の雑音を全て引き算した後の図です。
既知の雑音を引き算したのにもかかわらず、明らかにガンマ線の放射が強い領域が存在します。



















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