日本ではあまり知られていないスマホメーカー、OPPOの世界品質。2万台を24時間で検証、180項目試験で「滑らかさ」を長期維持する体制

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バッテリーには73項目の安全性試験が課される。環境試験では最高75℃の高温環境でも端末が正常に動作することを確認する。

同じ長安キャンパス内の工場では、スマートフォンのマザーボード製造から最終組立まで、一貫した生産ラインが稼働している。工場内の自動化率は85%以上に及ぶ。

マザーボードへの部品実装工程では自動化率が95%に達し、年間1400万枚を生産する。真っ白の作業室内では、基板が自動搬送され、はんだペースト印刷、部品実装、リフロー炉を経てマザーボードが完成する。

長安キャンパスのSMTワークショップ。マザーボード製造の自動化率は95%に達する(OPPO提供)

総組立工場では約1000個の部品を組み立てる。4本の生産ラインが稼働し、目の前を輸送ロボットが部品や半製品を運ぶ。ディスプレイなど一部の部品は人の手で取り付けられる。組立が完了すると、カメラ、通信、ディスプレイ、バッテリーなど、すべての機能を自動でテストする。

「カクツキのない体験」という競争軸

スマートフォン市場は成熟期に入った。買い替えサイクルは4年以上に延び、7年間のアップデート保証を掲げるメーカーも現れた。カメラの画素数やAI機能は購入時のスペックで決まるが、滑らかさは3年後も維持できるかが問われる。

OPPOが選んだのは、地下鉄でも、エレベーターでも、数年使い続けても、カクツキを起こさない一貫した体験だ。ハイエンドだけでなく、ミドルレンジでも同じ水準の滑らかさを実現する。

2万台の端末が24時間365日稼働し、AIロボットが無人でテストする。100以上の検証項目は、業界の第三者機関の4倍の範囲をカバーする。180項目の耐久性試験、電波暗室での24時間365日通信テスト、製造工程の自動化率95%。自社OS「ColorOS」を持つからこそ、OSレイヤーから最適化でき、全価格帯で統一した品質を保てる。この規模の検証体制を構築できるメーカーは限られる。

取材時に公開されたOPPO Find X9シリーズのグローバル版(筆者撮影)

「呼吸のようにスムーズな体験」。OPPOが目指すのは、ユーザーが意識しなくても滑らかに動き続ける端末だ。濱海湾と長安、2つのキャンパスでの検証体制は、その実現のために存在している。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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