日本ではあまり知られていないスマホメーカー、OPPOの世界品質。2万台を24時間で検証、180項目試験で「滑らかさ」を長期維持する体制

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テスト結果は消費電力と画面の滑らかさで表示される。リアルタイムの値を採集し、各消費電力の分布を把握できる。最新のFind X9 Proでは、高負荷な4K 60fps動画録画でも滑らかさと省電力を両立している。こうした検証はハイエンドだけでなく、ミドルレンジのRenoシリーズでも同様に実施される。価格帯を問わず滑らかさを実現するのがOPPOの戦略だ。

濱海湾キャンパスの通信実験室に入ると、壁一面に電波吸収材の三角錐が並んでいる。外部からの電波を遮断し、端末の通信性能だけを正確に測定する電波暗室だ。10人以上が同時に入れる大規模な施設で、室内には可動式の隔壁が設けられている。

「地下鉄、駐車場、エレベーター。ユーザーはこうした場所でネットワークのカクツキを経験する」と担当者は説明する。OPPOが目指すのは、弱信号下でも通話が途切れない、ネットワーク切り替え時にも遅延が起きない、そうした一貫した通信体験だ。

電波暗室の壁一面に電波吸収材の三角錐が並ぶ(筆者撮影)

実験室では、弱信号、混雑シーン、モバイル通信とWi-Fiの切り替えを精密にシミュレートできる。隔壁を立てることでエレベーター内の環境を再現する。モバイル通信とWi-Fiのどちらが安定かを監視し、バックエンドでシームレスに切り替える。人混みの演奏会、開けた郊外、国境を越える移動など、あらゆる場面での通信品質を検証する。

OPPOの全方位360度アンテナ設計は、この実験室で検証されている。端末は24時間365日体制で自動テストを行う。フラッグシップからエントリーモデルまで、弱いネットワーク下で優れた性能を示すのは、こうした徹底した検証の結果だ。

ロボットアームが端末を電波暗室に搬入し、自動でテストを行う(筆者撮影)

2.8万回の落下、50万回のボタン押下

長安キャンパスの信頼性実験室では、180項目以上の信頼性試験が実施されている。

落下試験では、1メートルの高さから大理石に2.8万回落とす。中国の国家基準では0.8メートルからの落下に耐えることが求められているが、OPPOはより厳しい基準を採用している。

USB端子の耐久性試験では2万回の挿抜を繰り返す。電源ボタンは50万回、音量キーは20万回の押下に耐える必要がある。折りたたみ式端末のヒンジは30万回の開閉試験を経る。

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