日本ではあまり知られていないスマホメーカー、OPPOの世界品質。2万台を24時間で検証、180項目試験で「滑らかさ」を長期維持する体制

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OPPOの研究開発チームは毎月100万行以上のコードを提出する。1行のコードも、この実験室での一連のテストを経なければ統合できない。アプリストアにある1万個以上のサードパーティアプリも、バージョン更新のたびに全機種で互換性と安定性をテストする。

購入時は滑らかでも、アプリが増え、OSがアップデートされると、端末は徐々に重くなる。OPPOが全機種・全アプリで検証を繰り返すのは、経年劣化を遅らせ、長期使用でも滑らかさを維持するためだ。同社は4〜6年使用時のストレージ老化率を3%以下に抑える基準を設けている。

自社OS「ColorOS」を持つ強みが、ここで生きる。ハードウェアからOSまで一貫した最適化ができるため、ハイエンドのFind X9 ProもエントリーレベルのAシリーズも、統一したアーキテクチャーで同じ水準の滑らかさを実現できる。Androidベースでも、他社のようにパッチ対応に頼らず、OS層から徹底的に磨き込める。

引き出しには複数の端末が収められ、24時間365日稼働する(筆者撮影)

検証環境では世界各国のアプリがテストできる。中国国内で通常アクセスが制限されているサービスも利用可能で、日本のYahoo! JAPANアプリもテストされていた。実験室は24時間365日稼働し、管理者が常駐する必要はない。

日本のYahoo! JAPANアプリもテスト対象となっていた(筆者撮影)

AIロボットが実施する消費電力テスト

濱海湾キャンパス4階の消費電力テスト実験室には、100台の専用テスト設備がある。24時間365日無人稼働だ。

「ユーザーが屋外で写真を撮るシーンで、端末が落ちてしまうことはないだろうか」。担当者はこう問いかける。撮影には極めて高い演算能力が必要で、高い消費電力を伴う。OPPOの目標は、どんな状況でも滑らかさと省電力を両立することだ。

テスト担当者がプラットフォームでタスクを下すと、AIが自動分析してスケジュールを割り当てる。搬送ロボットが端末をテスト機台に搬入すると、指先を模したロボットが画面を操作する。4K 60fps動画録画、ショート動画の閲覧、メッセージ交流など、さまざまなシーンをシミュレートし、ハイスピードカメラが画面遷移を撮影する。

指先を模したロボットが画面を操作し、ハイスピードカメラが画面遷移を撮影する(筆者撮影)
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