「学習塾の倒産」が増加、少子化だけじゃない複雑な背景。学校教育が変わる中での<存在意義>と<生き残る塾の特徴>とは?
創業から年月を重ね、職員の高齢化が進み、若手が少ない組織ほど、やり方を変えることに心理的な壁があり、テクノロジーの定着に苦戦する傾向が見受けられます。
反対に、デジタルをうまく活用できている学習塾には共通点があります。組織文化が明確で、職員一人ひとりが児童生徒一人ひとりと真正面から向き合う姿勢を持ち、意欲ある若手が活躍できる土壌があることです。道具は文化と結びついて初めて力を発揮し、現場の創意工夫があってこそ定着します。このあたりの課題は、学校現場と似た状況にあるかもしれません。
学習塾の存在意義と生き残る条件とは?
学校と学習塾は、「太陽と月」に例えられることがあります。学校教育が太陽だとしたら、塾はその光を十分吸収できない子どもたちを照らす月であるというわけです。
近年は、多様性を尊重する共生社会の進行と共に、学校でも個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実やインクルーシブ教育が求められています。
そうした流れの中、前述したように勉強を強制するような同調圧力が低下したぶん、学力の向上という観点では、太陽の光(学校)は以前に比べて弱く、月の光(学習塾)が必要な子どもたちは増えているかもしれません。実際に、学校が学習塾と提携し学内塾を設置するケースなども増えています。
また、高校の授業料無償化によって経済的負担が減る家庭も出てくる中、学習塾に通う子どもが増えるかもしれません。学習塾の存在意義は変わらず、むしろニーズは強くなっているように筆者は感じています。
このように変化が続く環境下で子どもの学びを支え続けるためには、変化を恐れず、大人も学び続ける必要があるでしょう。テクノロジーを最善の形で活用し、すべての関係者との「対話」と子どもたちの学習意欲を引き出す「仕組み」を両立させる。そのような学習塾こそが、これからの時代に生き残るのではないかと思います。
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