全盲の大学生、当事者目線を生かして「起業」《"望まない進路しかない"のは教育現場に課題》「とりあえず混ぜればいい」インクルーシブ教育に一石
視覚に障害のある児童生徒対象のオンライン個別指導塾「vreach」(以下、ブイリーチ)が、静かに注目を集めている。運営するのは、筑波技術大学3年の川本一輝さん(21)。自身も全盲の当事者として「学びの再設計」に向き合う若き起業家だ。
文部科学省「特別支援教育資料(令和5年度)」によると、弱視など視覚に障害があり、特別支援学校、特別支援学級に在籍、通級による支援を受ける児童生徒の総数は、約5494人に上る(複数の障害を併せ持つケースを含むため、正式な数字は変動)。児童生徒が1学年1〜3人という特別支援学校も多く、学習環境は地域によるばらつきが大きいのが現状だ。
12歳で視力を失い直面した「学ぶ機会の喪失」
学習教材の不足や通学時の安全確保など、視覚に障害のある児童生徒の学びには複合的なハードルがある。しかし、ICTの活用やオンライン学習が進む現在でも、視覚に障害のある児童生徒を対象としたオンライン教育サービスは極めて少ない。「ブイリーチ」が生まれた背景には、当事者だからこそ実感してきた「構造的な機会格差」がある。



















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