太平洋セメント、売上高1兆円への夢を捨て、利益重視の3カ年計画を策定

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つまり、14年度の売上高は11年度比で1%増の7350億円とほぼ横ばい。セメント、資源、環境のコア3事業の収益基盤強化に取り組んで、営業利益率を11年度の4%から7%に上昇させることが最優先というシナリオだ。

このシナリオ実現で目を引くのは、震災復旧・復興によるセメント販売の増加は大きく見込んでいないこと。セメントの国内需要は、前年度6期ぶりにその前年度を2.5%上回った。しかし、その中身で、復旧・復興関連は「わずか50万~60万トン程度」(福田社長)と見積もる。
 
 また、今年度の復旧・復興関連も「200万トンとしているが、人手不足などで工事は遅れており、本当にそうなるかわからない」(同)という。「あくまでも復興需要は、特需と考えており、これが消え去ったときに業績が安定成長している姿に収益体質を強化することが大事」(福田社長)との考えだ。
 
 14年度営業利益目標の520億円のうち、国内セメント事業で半分の260億円(11年度は209億円)を稼ぐという見立てだが、残りの半分は、国内で廃棄物処理事業などセメントの周辺ビジネスを伸ばしつつ、北米とアジアでセメント生産の販売を拡大させる方針だ。

4年前に示した拡大路線は画餅、真逆の縮小均衡へ

太平洋セメントは、4年前の08年3月末に、1兆円企業入りのグローバル拡大路線を鮮明にした中期経営計画を発表。このときも、セメント・資源に経営資源を集中とか、コストアップの確実な価格転嫁とか、北米強化とアジア進出といった今回とよく似たテーマを掲げた。

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