「通常の弁当と何が違う?」企業向け"冷凍置き配サービス" 解凍後のおいしさを逆算した調理の工夫

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ちょうどこの日、林さんは取引先に冷凍弁当を届けに行くというので同行させてもらった。場所は林さんの話の中で出た工業団地で、店から車で10分ほどだが、周りには飲食店はおろか、コンビニすら見当たらなかった。団地内で働いている人は弁当を持参するか、出勤時にコンビニなどで昼食を購入するしかない。

取引先に設置された冷凍庫。スイーツを合わせて90食ほど収納可能だ(筆者撮影)

そんなことを考えながら取引先である配送センターを訪ねると、ポータブル冷凍庫にストックされていた商品はほとんどなくなっていた。利用しているスタッフに話を聞くと、

「ランチや残業時に食べるお弁当に限らず、朝食にスムージーを飲んでいる人や、仕事を頑張ったご褒美として休憩時間中にスイーツを買う人もいます。私は晩酌用に手羽先やどて煮を買って帰ります。どれも手作りならではの温もりを感じます」とか。

店で食べるのと変わらない味と温もり

冷凍弁当は、若鶏のコンフィカレーやデミグラスハンバーグ、ミートドリアなどの洋食をはじめ、中華丼やルーロー飯、チャーハンなど中華から親子丼や生姜焼き弁当など和食まで常時10種類を用意していて、価格も550円と手頃。「置き薬」のように、食べた分だけ代金を支払うシステムだ。

「とくに店のランチでも提供している鶏のコンフィが人気です。ひと晩塩漬けにした鶏肉を低温の油で4〜5時間煮込んで、オーブンで表面をカリッと焼いて仕上げています。手間がかかっていますが、お客さんに喜んでいただければ」(林さん)

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