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大学の入学金「辞退しても返還されない」のは不条理か?文科省も"学生の負担軽減"でプレッシャー…背景に補助金の国私格差など構造的な課題も

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  • 神戸 悟 教育ジャーナリスト 、大学入試ライター、リサーチャー
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例えば、規模の大きな私立大学の場合、一般選抜の合格者数が1万人を超えることも普通です。

仮に入学手続きの時に受験生が納める費用を20万円として、一般選抜の合格者の約半数が入学手続き後に他大学に合格して入学辞退するとして試算すると、合格者数1万人とした場合、20万円×5000人=10億円となります。物価高や光熱費の高騰で大学は、国公立大学も含めて財政的に疲弊していますので、これだけの減収は相当こたえます。

中には、国公立大学に合格・進学する受験生には入学金を返還するという私立大学もありますが、そもそも国立大学との併願者が少ない私立大学の場合は財政的なダメージが少ないため影響が限定的です。

最難関の私立大学ともなれば、国公立大学との併願者が多数を占めますので、入学金を返還することになった場合、その減収分は授業料の値上げとなって学生に跳ね返ることになります。

高等教育への公財政支出も、私立大学への補助も少ない

結局、費用の負担は誰がするのかという話になってきますが、もともと日本は先進諸国の中でも、大学など高等教育に対する公財政支出が低いことがしばしば指摘されています。

文科省の資料などではOECD諸国との比較がよくなされていますが、教育機関への支出を対GDP比で見ると、OECD平均の1.1%に対して、日本は0.5%です(14年調査)。OECD平均の半分にも満たないのですが、財務省はまったく異なる見解を持っていて少ないとは認めていません。

さらに補助金の国私格差もあります。文部科学省の26年度予算の概算要求を見ると、「国立大学改革の推進」1兆1470億円に対して、「私立大学等の改革の推進等」4525億円となっています。当然、これ以外の補助金もありますので、私立大学への補助は上記の金額よりも多くなりますが、大学数や在学生数を比較すると大きな格差を感じざるを得ません。

ただ、国立大学も物価高や光熱費の高騰で苦しんでいますので、国立大学の予算のいくらかを私立大学に回すなどという配分の問題ではありません。研究力の維持向上を考えれば、本当は国立大学の予算はもっと多くてもよいはずなのです。

受験生の入学金二重払いが発端となった入学金返還問題ですが、私立大学だけに対応を求めるのはかなり無理のある話ではないかと思います。

しかし、生徒の立場で考えれば、何とかならないものかと思います。ところで、今は私立大学の問題になっていますが、専門学校や私立中高受験でも同じような問題があるのではないでしょうか。

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