「Wordの黒ベタでは内部データは残る」Acrobatの墨消しとメタデータ対策で「消したつもり」漏洩を防ぐ方法

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ワードで墨消ししても、内部データは実は消えておらず、書き出したPDFから読み出せる。このトラブルの対策は?(筆者撮影)
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「PDFから個人情報漏洩」や「謝罪文書のPDFから、代理人が書いたことがバレて炎上」……というような事件が頻繁に起こっている。これはPDFに問題があるわけではなく、PDFに対する理解が足りないから起こる問題。ドキュメントを社外に送ったり、会社の情報を発信する仕事をしている人は、迂闊なトラブルを起こさないようにPDFについてよく理解しておこう。アドビの立川太郎氏に詳しく話をうかがった。

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アドビのDocument Cloudプリンシパルプロダクトマーケティングマネージャーである立川太郎氏(筆者撮影)

墨消し「したつもり」が漏洩につながる典型的事例

よくあるPDFに関する失敗のパターンをいくつかご紹介しよう。

これは、市役所など地方自治体や、大学などの発表ドキュメントで何度も起こっているアクシデント。ニュースソースとして情報公開するときに、マイクロソフト ワードやエクセルなどのアプリで一般市民の名前や住所など個人情報部分を、黒ベタにしたり、上に黒い四角の図形を配置して、その後にPDF化した資料を発表するパターン。

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ワードなどで、墨ベタで塗りつぶしてからPDFに出力した場合、見えなくてもテキストは内部データとして保持されいてる。(筆者撮影)

この場合、色を変えたり図形を乗せたりしただけでは、見た目は黒く塗りつぶされていても、PDFのドキュメントの中にはテキストデータが残っている。だから、たとえば黒い部分を選択してコピーし、別のドキュメントにペーストするような方法で、隠したはずの文書の内容が掘り起こされてしまう。

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