1社独占に終止符?「英仏高速鉄道」大バトルの行方 複数企業が参入表明「ユーロスター」は新車で対抗

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Eurostar Celestia Alstom Averia horizon
「ユーロスター」が導入する2階建ての新型車両「ユーロスター・セレスティア」のイメージ(画像:ALSTOM SA)

1994年のユーロトンネル(英仏海峡トンネル)開業以来、イギリスと欧州大陸を結ぶ旅客列車の運行は、高速鉄道「ユーロスター」が30年にわたり独占を続けてきた。

だがここにきて、欧州の鉄道のオープンアクセス(列車運行への参入自由化)による市場開放を受け、イタリアの鉄道会社トレニタリアや、航空など幅広い事業を手がけるイギリスのヴァージングループ、新興企業のジェミニ・トレインズが次々と参入を表明している。

一方、迎え撃つ側となるユーロスターは新型の2階建て高速列車の投入を発表。英仏海峡をめぐる鉄道の競争が激化しつつある。

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「ユーロスター」に2階建て新型車

2025年10月22日、ユーロスターはフランスのメーカー、アルストムに新型2階建て高速列車「アヴェリア・ホライズン」を最大で50編成発注するため、20億ユーロ(約3565億円)を投資すると発表した。確定している30編成分に加えて20編成のオプション契約付きで、最初の編成は31年1月に納入予定。5月までに6本を投入するとしている。

愛称は「ユーロスター・セレスティア(Eurostar Celestia)」で、ラテン語の「天国」を意味するcaelestisに由来し、ユーロスターの社員が考案したものだ。

【写真】これまで1社独占だった英仏海峡の高速列車が大競争の舞台に。迎え撃つ「ユーロスター」の現役車両と2階建て新型車、参入をもくろむ鉄道会社が投入する予定の車種などさまざまな欧州の高速列車

この新型車両の投入目的は、現在も8編成が現役の初代ユーロスター車両373系(e300)と、ユーロスターが2022年に合併したフランス・ベルギー・オランダ・ドイツを結ぶ国際高速列車「タリス」の車両(タリスPBA・PBKA)を置き換え、共通運用を可能にして効率化を図ることだ。

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