学校が頭を抱える"子どものネット問題"→「いじめ」「依存」「SNSトラブル」が多い中、「情報リテラシー」を学べるカードゲームが好評の理由

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山口県周南市立太華中学校(以下、太華中)では、今年9月、中学1年生を対象にリテらっこの体験授業が実施された。

太華中では、これまでも携帯キャリア会社や警察や警察等による情報リテラシー講座などを実施してきたが、「子どもたちは聞くだけではどうしても自分事として捉えられず、真剣に受け止める姿勢が見られなかった」と太華中教頭の怒和勝宏氏は話す。

「本校でもネット関連のトラブルはよく起こっていて、とくに多いのがまだ知識の浅い1年生です。1人1台端末の使用ルールが守れなかったり、LINE上での仲間はずれや言葉の行き違い、無断で写真や動画をSNSに拡散、といったSNSを通じた人間関係のトラブルが起こったりしています。解決できたトラブルもありますが、リテらっこのことを知り、ぜひ子どもたちに体験して自分事として考えてほしいと思いました」(怒和氏)

インシデントカードの内容は、こうした課題感に合わせ、ネット依存、ネットいじめ、プライバシー権侵害を中心とし、中学生に該当しそうなネットトラブル(誹謗中傷やながらスマホ、高額課金等)に関するものも含めて構成し、体験授業が行われたという。

「自ら解決策を選ぶ」からリアルに捉えられる

当日はまず全学年向けに情報リテラシーに関する講義を実施、その後に1年生(4クラス)がクラスごとに6グループに分かれてリテらっこを体験した。

例えば、「友だちの悪口がみんなに見られるように投稿されている」というインシデントについて、「学校に相談する」「本人に知らせる」「関係機関に連絡する」などのアクションカードの中から、どれがふさわしいか生徒たちは話し合った。

そして、ゲームマスターからの「学校に相談してその後はどうしてもらおう?」「関係機関っていろいろあるけど、どこに連絡したらよいだろう?」などの追加質問を受け、さらに対処法について議論を深めていった。

リテらっこ授業
インシデントへの対応を話し合う1年生たち。ゲームマスターがファシリテート(写真:周南市立太華中学校提供)
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