学校が頭を抱える"子どものネット問題"→「いじめ」「依存」「SNSトラブル」が多い中、「情報リテラシー」を学べるカードゲームが好評の理由

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もう1つ、大きな特徴は、同社の本業であるセキュリティ事業や情報リテラシーの啓発活動を通じた知見が盛り込まれている点だ。

「インシデントカードは、弊社がネットトラブルについてまとめている冊子『情報リテラシー啓発のための羅針盤(コンパス)』に基づき、情報モラル、情報セキュリティ、消費者トラブルの3つのジャンルからネットのトラブルを76項目選び、外部の専門家にも監修していただき制作しました」(清水氏)

例えば、「情報モラル」なら不適切投稿や偽・誤情報など、「情報セキュリティ」なら個人情報の漏洩やID・パスワードの管理など、「消費者トラブル」ならゲームの高額課金や悪質広告など、最近の社会問題に関する要素も盛り込んでいる。

コロナ禍を経て、学校の課題感に変化

これまでヒアリングしてきた学校現場のニーズも参考にしている。学校での講演で要望されるテーマについて、清水氏はこう話す。

「コロナ禍はネットの長時間利用によるネット依存や健康被害といったテーマの要望が多かったですが、リアルな生活が戻ってきた中では、ネットいじめやSNSを通じた誘い出し、不適切な写真や動画の拡散といった犯罪被害やネットトラブルが心配されています。学校でリテらっこの体験授業を実施する際も、こうした現場の課題感を事前にヒアリングし、各学校に合ったインシデントカードを抜粋して使います」

学校講演ニーズの図
学校からは最近、「ネットいじめ」「ネット依存」「不適切投稿」などに関する講演依頼が多いという(写真:ラック提供)

リテらっこの体験を希望する学校を2024年の年末から募集し始めたところ、当初は5枠を予定していたが、2025年6月までの間に、学校だけでなく自治体や企業などを含む20を超える応募があった。最も多かったのは小学生向けのイベントなどのニーズで、授業単位での依頼は中学校が多かったという。

では、学校現場はリテらっこについてどう捉えているのだろうか。

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