「浅いレベルの調べ学習」で終わってしまいかねない…正解がない「探究学習」の授業に"社会問題知るツール"を取り入れた学校で起きていること

✎ 1〜 ✎ 37 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 40
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
慶應義塾大学名誉教授・田中茂範氏の麗澤中学・高等学校での授業の様子
慶應義塾大学名誉教授・田中茂範氏の麗澤中学・高等学校での授業の様子(写真:瀧村氏提供)

生成AIの利用が当たり前になった時代、教育現場においても、こうした状況にどう向き合うのか緊急の課題になっています。とくに生成情報、フェイク情報、誤情報が氾濫する中で、情報リテラシーと自ら考える力の育成は不可欠です。

探究の時間はそうした課題に向きあい、力をつける最善の機会のはずですが、求められる要求が高まる中、教員の負荷も増しており、頭を悩ましている先生も多いのではないでしょうか。

この連載はこちら

そんな中、単なる調べ学習に陥りやすい探究学習が、「グローバル視点」と「問いを立てる力」に確実に結びつく、学びに変わる探究メソッドと情報ツールがあるというので、取材をしました。

今回話を聞いたのは、探究メソッドを作った慶應義塾大学名誉教授の田中茂範氏と情報ツールRuleWatcher edu.を作ったオシンテックの代表 小田真人氏。そして、このプログラムを実践している麗澤中学・高等学校の瀧村尚也氏です。

現状の探究活動がうまくいかない2つの理由

田中氏は、探究学習の創始者であるジョン・デューイ研究のメッカ、アメリカのコロンビア大学に留学して以来、40年以上にわたって、探究とプロジェクト学習研究を続けてきた専門家です。その田中氏は「今の日本の探究プログラムの課題はメソッドがないこと、そして評価方法が明確でないことだ」と言います。

次ページ生徒それぞれの興味を社会につなぐ“超”探究実践ツール
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事