"封じ込め"か? "パイプ役"か? 初の女性首相・高市早苗が仕掛けた「林芳正総務相」起用に噂が飛び交う《冷酷人事》の深謀遠慮
小泉氏は同じ総裁選出馬組の小林鷹之政調会長とともに「若手首相候補の代表格」(自民党長老)で、周辺からは「安保・防衛政策の責任者となることで、首相候補としての幅が広がる」との声も出ている。
また、林氏の総務相起用については「次期総裁選での強力なライバルとみられる林氏を、自ら長期間在任した総務省に封じ込める狙いがある」(自民党幹部)との見方がある。
ただ、林氏周辺には「どんな部署でも器用にこなしてきたオールラウンドプレーヤーだけに、総務相ポストを重視する維新とのパイプを太くするチャンス」(旧岸田派幹部)といった期待も広がる。
「過去最多の女性閣僚」が実現しなかった台所事情
さらに、高市氏が重視している経済安全保障担当相には、小野田紀美参院議員が起用された。片山氏の財務相と合わせて、閣僚への女性登用は2人にとどまった。

女性首相の誕生で国民からも注目度が高かった「女性閣僚」だが、結果的に高市氏が目指していた「過去最多の女性閣僚」は実現しなかった。これまでの最多記録は5人で、結果的に2人にとどまったのは「若手の起用が難しかった」(官邸筋)という党内事情からとみられている。
昨年の総裁選に出馬した議員については、石破前首相、河野太郎元デジタル相、加藤前財務相、上川陽子元外相がいずれも「無役」となった。また、総裁選などで高市氏らが掲げていた「大幅な若手起用による世代交代」は、結果的に小野田氏など一部の起用にとどまった。
「そもそも当選3・4回生には閣僚候補が少ない」(自民党幹部)という党内事情もあるが、衆参選挙での議員数の大幅な減少に、公明党の連立離脱が重なったことで、「副大臣・政務官や衆参国会で委員長人事、さらには自民党政調各部会長などへの起用を考慮すると、まったく数が足りなかった」(自民党幹事長室)ことが原因とみられている。
21日夜に正式発足する高市新内閣は、表向きは「挙党体制」の体裁を整えてのスタートとなる。だが、閣外協力となった維新との連立合意書に書かれた政策の実現には多くの障害が立ちはだかることは間違いない。
「一部閣僚が国会答弁でつまずけば、すぐさま政権危機につながりかねない」(自民党長老)という、過去の連立政権以上の厳しい船出を余儀なくされそうだ。
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