"封じ込め"か? "パイプ役"か? 初の女性首相・高市早苗が仕掛けた「林芳正総務相」起用に噂が飛び交う《冷酷人事》の深謀遠慮
茂木氏は過去に外相、経済産業相、経済再生担当相などを歴任し、アメリカのドナルド・トランプ大統領から「タフネゴシエーター」と評価された経緯もある。当面は「首脳外交の経験が少ない高市首相の“弱点”を補う、事実上の“外交トップ”の立場」(官邸筋)になるとの見方が多い。
一方、高市氏は新内閣の経済政策の司令塔ともなる財務相には、片山さつき元地方創生担当相の起用に踏み切った。参院議員の片山氏は総裁選で高市陣営の中核だったことで、「論功行賞人事」との指摘も少なくない。

片山氏については当初、厚生労働相での入閣が有力視され、財務相は加藤勝信氏の再任説が取り沙汰されてきた。だが、加藤氏は先の自民党総裁選において小泉進次郎陣営の選対本部長だったこともあって、片山氏が初の女性財務相に起用された。
旧大蔵省の官僚出身で主計官も務めた片山氏は「経済・財政の専門家」として知られるが、財務省関係者の間では「やりにくい人物」との受け止めが多い。自民党内でも「新内閣の“火種閣僚”にもなりかねない」という声も広がる。
林氏の総務相起用に飛び交う臆測
また、外務・財務両相と並ぶ重要閣僚である経済産業相には、赤沢亮正前経済再生担当相が横すべりの形で任命される。赤沢氏は石破茂前首相の最側近として「トランプ関税」をめぐる日米交渉を担っただけに再任説もあったが、高市氏は「茂木氏とのタッグで日米交渉に取り組んでもらうべきだと判断した」(側近)とされる。

内閣の大番頭役となる官房長官には、早い段階から有力視されていた木原稔元防衛相が起用された。木原氏は旧茂木派で保守派として知られ、高市氏とも極めて近い関係が知られている。すでに今回の閣僚人事でも“相談相手”となっており、極めて順当な人事とみられている。
先の自民党総裁選で高市氏と覇を競った小泉進次郎前農林水産相は防衛相に、石破前政権で官房長官を務めた林芳正氏は総務相にそれぞれ起用された。
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