「外部人材の採用」で教育改革を加速、学力調査の結果や生徒指導困難校に表れた変化とは?生駒市と加賀市の事例に見る≪メリットと課題≫
学校は今、従来の一斉指導から「個別最適な学び」や「協働的な学び」への転換が求められている。こうした中、外部人材を積極的に登用して教育改革に挑む自治体も出てきた。例えば、奈良県生駒市と石川県加賀市は、ここ数年の外部人材の採用による成果が表れているという。
「教育大綱の改定」でも外部人材が力を発揮
奈良県生駒市は、2020年度にキャリア教育推進担当の会計年度任用職員を1名採用したのを皮切りに、正規職員を2022年度に2名(教育改革担当)、2025年度に1名(授業改善支援担当)採用し、2025年7月には会計年度任用職員を2名(ワークショップファシリテーター、働き方改革担当)採用している。
市長の小紫雅史氏は、この背景について次のように話す。
「新たな街づくりを推進するため、本市は7年ほど前から社会人採用に取り組んできましたが、公教育に求められるものや保護者の意識が急速に変わる中、教育分野においても外部からプロを迎える必要があると考えて採用に力を入れています」
教育改革の核となる教育大綱を作り直すタイミングで教育委員会に採用されたのが、学校コンサルタント出身の杉山史哲氏だ。2022年度の入庁直後から「第3次生駒市教育大綱」の策定を主導し、多様な学び方の推進など、時代を捉えた要素を大綱に盛り込んだ。
生駒市に勤務して15年目になる佐竹裕介氏は「行政職員は守りの姿勢になりがちですが、杉山さんはまったく違う視点を大綱に流し込んでくれました。私たちだけではこの大きな方向転換はできなかった」と語る。
検討を重ねた教育大綱は2024年6月に改定となり、これに基づき現在、自由進度学習等の“子ども中心の授業改善”が主に市内の小学校で始まりつつある。2022年度から先行して授業改善を進めてきた小学校では、すでに「全国学力・学習状況調査」の結果に変化が見られるという。


















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