「"特定班"もブーメランじゃない?」 江口寿史氏"トレパク"問題 「次々と"パクリ"を特定」も、ネット上にあふれる違法行為…叩く人に抱いた違和感

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江口氏を許さないのであれば、他者の権利を侵害している“特定班”も許してはならないのではないかと思うのだが、いかがだろう。

本当に正義感から不正を暴いたり、問題行為を批判したりするのであれば、そのために不当な行為を行ってはならないし、そうした行動は取らないはずだ。

SNSで注目を浴びたいのであれば、他の合法的なやり方を考えればよい。成功者の落ちていく様子を見て日頃の鬱憤を晴らしたいのであれば、黙って見ていればよい。

正義を盾に正義でない行為が行われているのを見るにつけ、筆者は「うさん臭い」と思うのだが、SNS上にはそういう行為があふれているせいか、そう思う人は意外に少ないようだ。

江口寿史氏は再起できるか

あらためて、江口氏の今後はどうなるのだろう?

江口氏は叩かれすぎていると思うし、法律の専門家の意見を見ても、江口氏がどの程度の違法行為を行っているか、現時点では定かではない。トレースを行っていたとしても、その行為自体がただちに問題行為だとは言い切れない。

一方で、これだけの公開中止が起きていることを鑑みると、取引先との信頼関係を大きく棄損してしまっていることも紛れもない事実だ。

現時点ではどちらに転ぶかわからないが、筆者としては、問題行為が思いのほか限定的で、かつ江口氏が誠実な対応をとれば、再起の可能性は十分にあるように思う。

もちろん、以前のような勢いや表舞台に出てくる機会は減ってしまうだろうが、能力の高い人を容易に見捨てることはないのもビジネスの世界である。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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