「"特定班"もブーメランじゃない?」 江口寿史氏"トレパク"問題 「次々と"パクリ"を特定」も、ネット上にあふれる違法行為…叩く人に抱いた違和感

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本人の公式SNSに投稿されている内容は公開されているものなので、引用を示せば一般的に掲載は許容されるが、過去に出版された雑誌などの誌面を写真に撮ったりスキャニングしたりしてネットに上げるのは、やはり問題がある。

また、トレース元となった人にも配慮したいところだ。たとえば自分自身に置き換えて考えてみていただきたい。

著名なイラストレーターが、SNSやメディアに上がっている自身の写真を無断でトレースしてポスターを作ったとする。それに気づいて指摘したところ、しかるべき報酬を支払うことで利用の継続を打診され、合意をした。

それなのにその後、第三者が自身の画像を無断でSNSにアップして、イラストレーターを批判した。自分の写真がSNSで拡散されるのは不本意なことではないだろうか?

一部の特定班がやっているのはこういうことなのだ。

“パクり”があれば、企業や自治体に報告すればいい

江口氏の問題行為を追及するために、自身が違法行為を行ってしまうのは本末転倒だ。

交通違反を取り締まるのに警察は“スピード違反”や“信号無視”を行っているが、警察だから許される話であって、一般人が同じことをやると、やはり交通違反となる。交通違反を見つけた一般人がやるべきことは、警察に通報することのはずだ。

江口氏の“パクり”が見つかったのであれば、江口氏のデザインを使用している企業や自治体に報告すればよいだけの話である。

SNSで報告するにしても、「江口寿史さんの○○のイラストと、○○の○○さんの写真が酷似している」と文章で書いて投稿すればよい。

また、“特定班”が画像を上げているのを見た人は、安易にその投稿をシェアしたり「いいね」を付けたりするのは控え、「これは違法行為にあたる可能性もあるから、取り下げたほうがよいですよ」と助言するのが適切な行為ではないだろうか?

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