「"特定班"もブーメランじゃない?」 江口寿史氏"トレパク"問題 「次々と"パクリ"を特定」も、ネット上にあふれる違法行為…叩く人に抱いた違和感

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たとえば、テレビ番組や著名人の映像の一部を切り抜いた「切り抜き動画」がSNSで拡散しているのをよく目にするが、著作権者に許可を取ったうえで投稿しているようには思えない。

一方で、その投稿に対して「著作権侵害ではないか」「肖像権侵害ではないか」という指摘をする声はほぼ見られない。そうした指摘をしたところで、叩かれるか黙殺されるかのいずれかだろう。

上記のような状況にあるなかで、どうして江口氏や、それに類似した行為を行ったクリエイターは叩かれるのだろうか? 

それは、「クリエイターが第三者の肖像・著作物を商用利用した」という点が大きい。

法に触れているか否か以前に、「著名人、成功者が第三者の肖像や創作物を無断で利用してお金を稼いでいる」という行為が、SNSユーザーにとって不満のポイントなのだ。

一般の匿名ユーザーが、法に触れるようなテレビ番組やYouTubeの切り抜き動画を上げていても、著名人の画像が引用の範囲を超えて勝手にシェアしていても、批判が巻き起こらないのはそれに当てはまらないからだ。

その根底には、「成功者を貶めたい」という人々の欲求があることも否めない。有名人や成功者が問題行動を起こしたら徹底的に叩く――というのもSNSの特徴だ。

SNSは「不満のはけ口」という役割も担っている。匿名であっても、プライベートでの不満を公にさらすことには支障もある。日々流れてくるニュースの中で、気に食わない人や事象を叩くのが手っ取り早い。

江口氏が叩かれる“特殊事情”

江口氏の例でいえば、過去の言動や問題が起きた後の対応の不備が火に油を注ぐ結果となったというのも大きいだろう。

江口氏は過去のSNSの投稿やメディア上で、他の人の作品や作品制作のあり方に対して厳しい発言をしてきた。なかには、ネット上の画像の利用や模写を戒めるような発言もあった。それが蒸し返されて、「お前が言うな!」という声が出てきている。

次ページ江口氏の投稿はかえって批判の声を増幅させてしまった
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