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ある寒い日、バスで鼻を啜ると…。「イタリア在住歴30年」の私が経験してきたカルチャーショック!「外国人はマナー悪い」と叩く人に"欠けた視点"

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唐辛子とトマト、パセリで作った甘辛いソースが、クリーミーなチーズにとてもよくあう「トミーノ・エレットリチ」。イタリア語で「電気(が走るほど辛い)トミーノチーズ」という意味のピエモンテ名物料理だ(筆者撮影)

イタリア生まれの娘からの指摘にハッとした

イタリアで生まれた私の娘は、小学生の頃に学校で出席を取る時や、先生の質問に手を上げて答える時、日本では当たり前の「はい、はい!」と“手の指をそろえて右手を斜め前方に上げる動作”を絶対にしないという。

え? じゃあ、どうするの?と聞くと、手は人差し指だけを立て、そして腕全体を上げるというのだ。えー、なんか気取った感じだね、と軽いノリで反応した母に対して、娘の答えは重かった。

「ナチスの敬礼と同じポーズだから、しちゃダメなんだよ」

そう言われてみると、イタリアではバス停でバスを待っている時、やってきたバスに向かって「乗ります、乗りまーす!」と手を上げて意思表示をしないと止まってくれないが、その時にも、やっぱり誰もが人差し指だけを立てて手を上げている。

人差し指だけを上げるだけでなく、手全体をピシッとせずにゆるい感じで上げるのも、ナチスを想起させないポイント?(筆者撮影)

日本でもヒトラーのこと、ナチスのことは誰でも知っているし、「ハイル・ヒトラー」というあのポーズも知っている。だが私たち日本人にはナチスの問題は遠い国で起きた過去の惨禍で、日常の手を上げる動作とは結び付かない。

ところがイタリアや、おそらくドイツではもっと敏感に、二度と同じ過ちを繰り返さないという教訓を日常の暮らしに根付かせているというわけだ。そんな歴史と文化を持つ国に行って、知らずにバス停で右手をピシッとあげたりしようものなら、白い目で見られてしまうだろう。

まったく悪気も、ましてやナチスを支持する気などまったくないのに「あのガイコクジンは……」と言われてしまうかもしれないということだ。

そういえば「88」という数字が、「ハイル・ヒトラー」の二言ともがHで始まり、Hはアルファベットで8番目の文字であることから、イタリアサッカー界で使用の自主規制や制限の対象となっているそうだから、徹底しているなあ、と驚くやら、感心するやらだ。

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