気づかずに部下との間に溝をつくってしまう「NGワード」 外資系マネジャーが実践してきた、チームのベクトルをそろえるための「基本のキ」
同様に、部下に対する「皆さん」という言葉にも注意すべきです。「厳しい環境で大変だと思いますが、皆さん、頑張ってください」。深く考えずにこのように言ってしまうと、「はい、課長さんこそもっと頑張ってくださいね」と返されてしまいます。上司である「私」と部下である「皆さん」を区別しているからです。
「厳しい環境ですが、力を合わせて私たちで乗り越えようではありませんか」。この方が、「そうだ、頑張りましょう!」という反応が返ってきやすくなります。
ベクトルをそろえるためには、チームの目標やビジョンの共有はもちろん大切です。しかし、「横に並んで一緒にそこへ視線を向けよう」という意識の統一があってこその目標でありビジョンです。
言葉は人の意識に強く働きかける
私が勤めていた米国企業のリサーチ・チームのマネジング・ディレクター(執行役員クラス)は、チームメンバーに対して、ことあるごとに“We are professionals!――私たちはプロフェッショナルだ!”と力強く伝えていました。
どんなに忙しくても決して手を抜くことなく、一つ一つの調査で最高のアウトプットを出そうぜ! という檄です。彼も、チームのベクトルをそろえるための「基本のキ」として、「私たち」という言葉でチームに一体感を醸し出していました。
言葉は人の意識に強く働きかけます。上司が何度も口にする「私たち」という言葉は部下の脳に刻み込まれ、彼らの「私たち意識」が高まっていきます。
同時に、自分で発した「私たち」という言葉は自分の脳にも刻み込まれ、上司自身も同じチームの一員として、部下とともにチーム運営を行おうとする意識が高まっていきます。口先の「私たち」でなく、心からの「私たち」になっていくのです。
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