気づかずに部下との間に溝をつくってしまう「NGワード」 外資系マネジャーが実践してきた、チームのベクトルをそろえるための「基本のキ」

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同様に、部下に対する「皆さん」という言葉にも注意すべきです。「厳しい環境で大変だと思いますが、皆さん、頑張ってください」。深く考えずにこのように言ってしまうと、「はい、課長さんこそもっと頑張ってくださいね」と返されてしまいます。上司である「私」と部下である「皆さん」を区別しているからです。

「厳しい環境ですが、力を合わせて私たちで乗り越えようではありませんか」。この方が、「そうだ、頑張りましょう!」という反応が返ってきやすくなります。

ベクトルをそろえるためには、チームの目標やビジョンの共有はもちろん大切です。しかし、「横に並んで一緒にそこへ視線を向けよう」という意識の統一があってこその目標でありビジョンです。

言葉は人の意識に強く働きかける

私が勤めていた米国企業のリサーチ・チームのマネジング・ディレクター(執行役員クラス)は、チームメンバーに対して、ことあるごとに“We are professionals!――私たちはプロフェッショナルだ!”と力強く伝えていました。

どんなに忙しくても決して手を抜くことなく、一つ一つの調査で最高のアウトプットを出そうぜ! という檄です。彼も、チームのベクトルをそろえるための「基本のキ」として、「私たち」という言葉でチームに一体感を醸し出していました。

言葉は人の意識に強く働きかけます。上司が何度も口にする「私たち」という言葉は部下の脳に刻み込まれ、彼らの「私たち意識」が高まっていきます。

同時に、自分で発した「私たち」という言葉は自分の脳にも刻み込まれ、上司自身も同じチームの一員として、部下とともにチーム運営を行おうとする意識が高まっていきます。口先の「私たち」でなく、心からの「私たち」になっていくのです。

櫻田 毅 アークス&コーチング代表

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さくらだ・たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。著著に『管理職1年目の教科書』『新 管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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