気づかずに部下との間に溝をつくってしまう「NGワード」 外資系マネジャーが実践してきた、チームのベクトルをそろえるための「基本のキ」

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30年以上にわたる日米両企業での実務経験の中で、一体感のある組織の管理職には共通の特徴があることに気づきました。それは、彼らが部下に語りかけるときの主語が「私」ではなく「私たち」だということです。

会話の主語を「私」から「私たち」に変える

「私が会社から与えられたミッションは、この開発チームを率いて新商品を世に送り出すことです」。このように上司である自分の役割を定義すること自体は間違っていません。しかし、そのまま部下に伝えたのでは、「はい、課長さん頑張ってくださいね」と反応されかねません。

「私」という言葉が、無意識下で「私」と「あなた」という距離を部下との間につくってしまうからです。

「私たちが会社から期待されているのは、力を合わせて新商品を世に出すことです」。このように、自分を含めた「私たち」で伝えることで、上司と部下との境界意識が仲間意識に変わります。「そうですね、一緒に頑張りましょう」という共感を引き出しやすくなるのです。

私にも経験がありますが、とくに経験の浅い若手管理職は、部下に認めてもらおうとか、かっこよく自分の存在感を打ち出そうとか、とかく「私」中心で考えてしまいがちです。その結果、「私を見ろ」という上司のオーラで、部下は上司の方ばかり見て仕事をするようになります。

しかし、そもそも上司と部下は、お互いが向き合っている「私」と「あなた」の関係にはありません。横に並んで一緒に同じもの――仕事や業務目標、顧客やビジョン――に視線を向けている「私たち」の関係にあるべきなのです。

管理職になった瞬間、部下を動かすことばかり目がいって、自分も一緒にゴールを目指すメンバーの一員であるという、当たり前のことを忘れてしまうのです。

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