定年後、給料が5割減…40、50代が知らないと地獄を見る「再雇用の残酷すぎる現実」

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多くの人は「会社の一員であることが自分のアイデンティティ」だと無意識のうちに考え、会社という「第二の家族」に依存するようになってしまっているのです。この価値観は、定年後の独立や起業といった「未知の道」に対する強い警戒心を生みます。

再雇用は「失敗しない選択肢」として魅力的に映り、リスクを回避しようとする心理が、結果的に「給料ダウン」や「やりがい喪失」という新たなリスクを生み出しているのです。

再雇用に潜むもう一つの大きなリスクは、多くの人が「定年後の人生設計を真剣に考えていない」ことです。アンケート調査では、50代の男性の9割、女性の8割が、自身のノウハウやネットワークを「しっかり整理して見える化」出来ていないことが判明しました。

また、定年後の生活費や収入の計画を持っている人はわずか5%で、95%の人が家族とも話したことがないという現実が浮き彫りになっています。

「会社が守ってくれる」という幻想に安住し、目の前の仕事だけに没頭してきた結果、いざ定年が迫ってから慌てて準備を始めようとしても、転職市場での仕事は皆無で、理想的な再就職先を見つけることは困難です。体力や気力も衰え、新しい挑戦への一歩を踏み出すことも難しくなるかもしれません。

定年後の人生は90歳まで30年間もあることを考えれば、現役時代に会社に依存する生き方しかせず、定年後を計画しなかったことが、会社を卒業した人が一番後悔していることです。

40・50代が今すぐ始めるべき3つの処方箋

では、この「残酷な現実」を避けるためには、どうすればいいのでしょうか? それは、40代から「定年後の自分」を見据えた準備を始めることです。

① 自身の「無形資産」を整理して見える化する

まずは、これまでのサラリーマン人生で培ってきたものを洗い出す作業から始めましょう。役職や肩書に頼らない「無形資産」の棚卸しです。仕事内容、興味、苦手なこと、学習経験、趣味などを、20代、30代、40代……と時系列で書き出してみましょう。そして、自身の名刺をすべてアプリに入れて付き合いの深い順に番号を付けて自身の強いネットワークを理解しましょう。

この作業を通じて、自分が誰にも負けない「ニッチな専門性」や「尖った能力」を発見できるかもしれません。独立後の成功者の多くは、サラリーマン時代の経験や人脈を活かしています。自分の強みを言語化し、市場での価値を見極めることが、すべての始まりとなるのです。

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