高市氏の当選阻止へあの手この手? 自民党総裁選の裏で"暗躍"が噂される「公明党」の隠しきれない思惑
このメンバーについて、公明党では「防衛費拡大など『平和の党』の理念に反する政治路線を主張する高市、小林氏両氏とは連携できない」(党幹部)との声が支配的だ。また、過去に自民党幹事長として「“公明外し”を模索した」(同)とされる、茂木氏に対する拒否感も根強い。
一方、自民党内のリベラル勢力の代表格で、公明党が実績を誇る「日中友好」でも歩調がそろう林氏への期待は大きい。さらに、今回の新総裁の「本命」とみられている小泉氏については、「勝つための保守化の姿勢に懸念はあるが、公明党や創価学会と太いパイプを持つ菅義偉副総裁が後見人なので、連携しやすい」(創価学会関係者)との声が広がる。

併せて、石破首相が「自らの政権で主要閣僚として支えてくれた人物」と事実上名指しする形で林氏と共に小泉氏にエールを送っていることも、小泉氏への親近感が広がる要因となっている。
こうした事情を踏まえて、公明党が注目しているのは「政権の枠組み拡大の行方」だ。総裁選5候補の出馬会見や討論会などで、茂木氏が「(連携相手は)日本維新の会と国民民主党」と名指ししているが、ほかの4候補はこれまでのところ「政治路線や政策での一致が前提」として、踏み込んだ発言は避けている。
維新vs国民、激しさを増す“連立入り競争”
これに対し、公明党幹部の多くが「政治路線や政策で共同歩調が取れる国民民主党がベストで、大阪で激突している維新の政権入りは認めにくい」との立場だ。
ただ、小泉氏は維新代表の吉村洋文大阪府知事と親交が深い。小泉陣営では「小泉政権ができれば、維新との部分連合や連立が視野に入ってくる」(有力議員)との声が少なくない。林氏は「現時点ではどの党ともニュートラル」との立場を崩さない。
こうした状況を踏まえて、ここにきて維新と国民民主党も「新政権の連携相手はわが党」と言わんばかりの言動が目立つ。維新は早い段階から「副首都構想への賛成が連携のカギ」として、同党の創業者である松井一郎前大阪府知事と菅氏の太いパイプに期待を寄せる。
これに対抗するように、国民民主党の玉木雄一郎代表は連日のように出演している情報番組などで、維新の連立参加について「選挙で負けたり(議席を)減らした者同士が組むことは、民意を反映した権力構造になっているのか」などと牽制しきり。ただ「傍目には、明らかな“連立入り競争”に見える」(自民党長老)といった声も聞こえる。
いずれにしても、総裁選と同時進行の様相となり始めた新政権の枠組みづくりは「まさに多元連立方程式で、簡単に解が見つかる状況ではない」(閣僚経験者)。だからこそ、「立場や主張がはっきりしている公明党の動向が重要なカギとなる」(同)。総裁選が終盤を迎える段階には、斉藤代表らの言動とその影響が注目されることは間違いなさそうだ。
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