「お母さんが5人いる」女性が小学校の同級生と25年ぶりに再会→さらに10年後に結婚するまで。"修行のような人生"に現れた夫との現在

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智恵さんが30歳のとき、体調を崩していた両親は婿養子を迎えることをあきらめて隠居することになった。本山から指名された別の住職に寺を譲り渡し、自分たちは駅近くの一軒家を購入。地域の書店でのアルバイトを始めていた智恵さんもその新居に移った。

「私は介護要員なので当然の同居です。本が好きなのでアルバイトの時間は楽しくて、バイト仲間とお付き合いもしていました。弁護士志望の4歳下で、ロースクールを受験するところから尽くしていたつもりです。でも、彼が無事に合格して司法修習中に振られてしまいました。思い出したくない、封印していた記憶です(笑)」

前妻とは冷めた夫婦生活を送っていた健一さん

控えめながらも人見知りはせず、知的好奇心のある智恵さん。恋愛以外の人間関係には恵まれていたようだ。本に関するイベントを精力的に手伝っていたことが評価され、自治体の観光協会にスカウトされて転職。小学校時代のクラス会をしていた健一さんと再会したのもその頃だった。2人は別々のクラスだったので智恵さんは参加していないが、地元なので2次会に行く路上で偶然に智恵さんと会ったと健一さんは振り返る。

「僕たちのクラスは担任の先生が素晴らしかったので25周年クラス会に25人も集まったんです。1次会で大いに盛り上がり、先生そっちのけで2次会に行くことに(笑)。妻は別のクラスでしたが、『同級生じゃん。一緒に飲もうよ』と誘いました。そのときに連絡先を交換しましたが下心なんてありません。その頃、僕は結婚していましたから」

健一さんは地元に本社を構える大手メーカーで働いている。元同僚の前妻は1歳年下で専業主婦をしていたが、「性格の不一致」のために口喧嘩すらない冷めた夫婦関係だったという。

「前の妻は何も言わずに不満をため込む性格で、趣味すらないので何を考えているのかよくわかりませんでした。つまらないヤツだな、この先もこの人と暮らしていても面白くない、と感じたのが離婚の最大の原因です」

一人娘が中学校に進学したタイミングで離婚が成立。面会も連絡もさせたくないという前妻の意見を受け入れ、今後の養育費込みで持ち家を引き渡すことにした。以来、前妻と娘とは会っていない。

離婚調停で精神的にも経済的にも疲弊し、「これから彼女ができても籍は入れたくない」と思っていたという健一さん。愛知県にある支店に異動してからは一人で気ままに暮らしてきた。

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