富士通が突きつける"新卒一括採用"の終焉 日本企業の「人事部の消滅」が現実に?
「ジョブ型で必要な人材を必要な時に中途採用するほうが、企業にとっては楽かもしれません。ただ、即戦力で働ける新卒・若年層が日本にいったいどれだけいるでしょうか。新卒一括採用で時間をかけて育成していくのが、新卒・若年層にはプラスになると思います」(金融・小売り)
「いきなり特定の職務へのこだわりが強い新入社員が入ってきても、新卒一括採用・年功序列で過ごしてきた当社の社員とのギャップに戸惑うのは確実です。キャリアパスや担当職務が明確な会社はともかく、当社のような遅れた会社では、時期尚早だと考えます」(機械)
「最近の若年層はジョブ型を望んでいると言われますが、新卒一括採用・年功序列による安定を求める若年層もかなり多い印象です。従業員のニーズが多様化しており、廃止に賛成とも反対ともちょっと判断が付きかねます」(エネルギー)
「企業にとって、新卒一括採用は重荷になっています。とはいえ、若年層の失業率の低下など社会的にはプラス面もあります。廃止に反対ではありませんが、就活ルールなどをまったくなくしてしまうと、大きな混乱があって、マイナス面が大きいように思います」(輸送機)
賛否にかかわらず新卒一括採用はなくなっていく
ただし、賛成・反対という回答に関係なく、大半の人事担当者が将来的には日本から新卒一括採用が消滅すると予想していました。
「当社では、すでに中途採用が年間採用者数の半数を超えています。少子化で新卒が減ることや外国人採用が増えることを考えると、新卒一括採用は向こう10年以内に自然消滅するのではないでしょうか」(エンジニアリング)
「時間の問題でしょうね。グローバル化の時代に、日本だけ新卒一括採用を維持するというのは、ちょっと考えにくい。いずれ新卒一括採用がなくなることを前提に、我々は人事制度を考えていく必要があります」(商社・金融)
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