「最大10万円も」令和ロマン、空前規模の"2万人ライブ"で強気価格が設定された背景

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だが、最近ではそれだけで安定した収益を上げることが難しくなっているため、放送外収入を得ることが喫緊の課題となっている。

そんな中で、熱心なファンをつかんでいるテレビやラジオの番組は、どんどん大規模なイベントを行うようになってきた。イベントではチケット代の収入が得られるだけではなく、グッズ販売や配信などで副次的な収入も発生する。

ファンとの精神的な結びつきも強まり、番組自体のブランドイメージも上がる。テレビ局やラジオ局がイベントに力を入れるようになったことで、お笑い系の大型イベントも増えていった。

寄席文化から脱皮

最後に、会場インフラの整備が追い風になっている点も見逃せない。都市部ではアリーナやスタジアムが次々と整備され、音楽やスポーツイベントだけでなくお笑いイベントも開催できる環境が整った。これにより、お笑いが音楽やスポーツと並ぶ「大規模エンタメ」として扱われるようになり、イベントの格が一段上がった。

地方都市でも「お笑いフェス」が観光資源として注目され、地域の活性化策の一環として誘致されることも増えている。結果として、大規模イベントは単なる興行ではなく、文化的にも経済的にも多方面で意味を持つ存在となっている。

こうした複数の要素が同時に作用することで、お笑いは小規模な寄席文化から脱皮し、音楽フェスやスポーツイベントに匹敵するスケールのエンターテインメントへと進化を遂げている。今後もこの動きは続いていくだろう。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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