アサヒ、アスクルは対岸の火事ではない!《「国家×犯罪」連合が日本企業を襲う》 地政学的サイバー攻撃で見えたセキュリティ後回しの"ツケ"

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世界地図とサイバー攻撃者のイメージ
アサヒビールとアスクルが相次いで受けたランサムウェア攻撃は、単発の事件ではない。背後にあるのは国際的なサイバー犯罪エコシステムだ(写真:taa / PIXTA)

10月、アサヒビールとEC大手のアスクルが立て続けにサイバー攻撃に見舞われた。彼らを襲ったのは、どこかの個人の“ハッカー”ではない。背後で糸を引くのは、国家と犯罪組織が融合したサイバー攻撃連合だ。

データを人質に企業を屈服させようとする彼らの標的は、もはや個社ではなく「日本経済」そのものである。サイバー攻撃は今や戦争の新しい形となり、企業経営にその火の粉が降りかかっている。

日本企業に着弾する連続ランサムウェア攻撃

2025年、日本のサイバー空間は明らかに転換点を迎えている。

25年10月、アサヒビールとアスクルが相次いでランサムウェア攻撃を受けた。これらは単発の事件ではなく、背後に広がる国際的なサイバー犯罪エコシステムの一端と考えることができる。

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両事件の背景にあるのは、ランサムウェア・アズ・ア・サービス(Ransomware as a Service、以下RaaS)として知られるRansomHouse(ランサムハウス)およびQilin(キーリン)と名乗る組織であり、いずれもロシア語圏を中心とするサイバー犯罪ネットワークに属している。

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