「○○だったら交際は終わっていた」…僕の彼女は教員、"普通じゃない"と感じる理由 会社勤めのパートナーが見た異世界の日常

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運動部の顧問だったら「交際は終わっていた」

さらに小出さんが衝撃を受けたのは、彼女から「まだ私は恵まれている方だ」と聞かされたことだ。

「彼女は吹奏楽部の顧問をしているのですが、運動部の顧問だったら土日も出勤することがほとんどだというのです。もし土日すら会えない状況だったら、交際はうまくいかずに終わっていたと思います」(小出さん)

幸いにも交際は順調に続いており、近々籍を入れる予定だが、小出さんが最も心配しているのは彼女の健康だ。

「週末に彼女が体調を崩し、ダウンしてしまったことがありました。月曜の朝になってもぐったりしていて、さすがにその日は学校を休んでいました。私はリモートワークの日で家にいたのですが、彼女は午後になって体調が少し戻った途端に『明日の授業のプリントを作らないと間に合わないから』と仕事を始めたんです。私は休みの日には絶対に仕事をしないので、びっくりしました」(小出さん)

教員の異常な働き方に戸惑うことは多いが、それでも小出さんは彼女を応援したいという。

「彼女が生徒思いで、仕事に真摯に向き合っている姿を尊敬するし、そういう人柄が大好きです。でも、もう少し自分の体のことを考えてほしい」(小出さん)

非行や自傷は日常茶飯事、荒れた学校に勤務する妻

教員をパートナーに持つ別の方にも話を聞いた。公立高校勤務の30代女性教員と結婚7年目を迎えた金融関連企業に勤める山中雄一さん(仮名、32歳)だ。

「妻は養護教諭です。産休・育休から職場復帰したばかりで、9時出勤、16時退勤の時短勤務をしています。現在は時短ですし、生徒が落ち着いた高校に勤務しているのでとくに問題ないのですが、以前はかなり荒れた学校で生活指導を担当していて、ポジティブな話を聞くことはありませんでした。妻のメンタルがすごく心配でした」(山中さん)

以前の学校では保健室登校の生徒が多く、養護教諭の妻は多忙を極めていたという。

「東横キッズが何人かいる学校で、非行や自傷は日常茶飯事。保健室に出入りする生徒は精神的に不安定な子が多く、妻はかなり大変だったようです。生徒の喫煙事案は週1回くらいの頻度で発生していたので、妻の帰宅が遅い時はまた生徒の喫煙だろうなと思って、一緒に食事をするのをあきらめて外に飲みに行っていました」(山中さん)

それに加え、当時の妻は演劇部の顧問、サッカー部の副顧問を担当しており、試合や大会のある土日に出勤することも少なくなかった。

「私はずっとスポーツをやってきた体育会系なので、部活に関しては大変だろうけど、仕方ないかなと思っていました。でも、やっぱりおかしいのは、残業代やきちんとした休日出勤手当が出ないことです。もらえても試合会場までの移動費程度の金額ですから、ただ働き同然です。妻は『こんなに働いているのに、何でお金がもらえないのかな』といつも愚痴っていました」(山中さん)

「普通の会社じゃありえない」、教員をうらやましいと思ったことも

しかし、山中さんは教員をうらやましいと思ったことが2つあるという。

「忙しくない時は休みが取りやすいのは、うらやましいですね。教員は1時間単位で休暇を当日申請できるじゃないですか。『今日の午後は授業がないから、3時間休みを取って早めに帰ります』みたいなことができる。私の会社は福利厚生が充実していますが、さすがにそんな休み方はできません」(山中さん)

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