スマートグリッドの経済学--スマートグリッドにより経常収支赤字化を回避せよ
その多額の投資超過が健全に行われるためには、投資資金が外資によって賄われるだけでなく、国内において民間投資を活発化させなければならない。すなわち、日本国内でダイナミックなイノベーションが起こることが必要で、その候補としては、エネルギー構造改革が行われるばかりでなく、東北地方でのスマートコミュニティに向けた巨額の公的資本形成や復興特区における規制緩和や税制上のインセンティブを活用した民間投資などにより、一挙に数十兆円もの市場を顕在化できるスマートグリッドしかありえない。
前回解説したスマートグリッドとエコポイントは、経常収支が赤字にならないようにするためだけでなく、結果的に赤字になったときにも有効な戦略だ。2回にわたり解説したスマートグリッドの経済学の詳細に関しては、拙著『スマートグリッド「プラン」B−電力大改革へのメッセージ』(NTT出版、12年5月)も参考にされたい。
かとう・としはる
一般社団法人スマートプロジェクト代表。1954年生まれ、77年東京大学法学部卒、通商産業省(現経済産業省)入省、サービス産業課長、東京大学大学院客員教授、内閣審議官等を歴任。2010年スマートプロジェクトを設立。「エコポイント提唱者」として政府が進める家電エコポイント、住宅エコポイント事業に協力。
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