負債総額は約260億円!《ミュゼプラチナム》運営会社、"破産手続き開始"へ。脱毛サロンの倒産としては「過去最大規模」に…その顛末を徹底解説!

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脱毛事業を中心に展開する事業者の業績をみると、2024年度は約4割が赤字となり、「減益」を含めた「業績悪化」割合は56.5%と半数を超えた。6割を超えた2023年度(61.2%)からは低下したものの、依然として厳しい収益状況にある脱毛サロンが目立つ。

損益動向
(帝国データバンク提供)

近年、「銀座カラー」や「アリシアクリニック」が倒産

2023年以降、「銀座カラー」や「アリシアクリニック」、2025年には「トイトイトイクリニック」など、知名度の高い脱毛サロン・クリニックが相次いで破産に追い込まれた。これら倒産した脱毛サロン・クリニックの多くが、若年層を主なターゲットとし、コースでの契約を主としながら多額の前受金が入ることで事業拡大を進めていた。

しかし、いちど手にした前受金も集客のため広告費に回した脱毛サロン・クリニックも多い。結果的に新規会員からの契約が減少したことで自転車操業に陥り、「契約通り支払ったのに施術が受けられない」利用者の被害が拡大する要因となった。

出店の多い都市部では賃料が上昇しているほか、円安の影響で輸入品が多い脱毛器具の導入費用が高騰し、1店当たりの出店コストも上昇している。スタッフの離職率の高さや採用難により、研修コストを含めた人件費も高止まりした。

昨今の物価高の影響もあって、「消費者が美容支出を控える動きが強まった」との指摘もある。施術の効果や価格、口コミなどを事前に細かく確認するなど、業界各社に対する利用者の不信感も高まっている。そのため、売り上げを下支えする既存客のリピート率や定額会員の継続率が低下し、新規顧客の獲得にも苦しむサロン・クリニックが少なくない。

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