負債総額は約260億円!《ミュゼプラチナム》運営会社、"破産手続き開始"へ。脱毛サロンの倒産としては「過去最大規模」に…その顛末を徹底解説!

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しかし、運営を引き継いだ会社は事業多角化やコロナ禍の影響で経営不振に陥り、AV機器メーカー「船井電機」の持ち株会社が2023年4月、関係会社を通じて運営会社の全株式を取得した。しかし資金繰りは改善せず、船井グループは2024年3月に株式を売却。同年5月に別法人に全事業が承継され、株主も変わっていた。

その後も苦しい資金繰りが続くなか、株主が再度株式を売却し、2024年9月に設立されたMPHへ全事業が承継された。しかし、承継前の旧会社に残された債務は放置され、旧会社が社会保険料を滞納していたため、日本年金機構がMPHの売掛金を差し押さえていた。

このため売り上げがMPHに入らず、従業員に対する給料や取引先への支払いが2024年11月以降、たびたび遅れていた。2025年2月には幹部と株主の間で内紛が表面化し、経営権をめぐって係争となったことで給料が支払われない状態となり、店舗運営にも支障を来すなか3月下旬から全店舗が休業に追い込まれていた。

会員へのサービス継続を図り、業務委託による新業態「どこでもミュゼ」の展開を4月から進めていた。こうしたなか、5月16日に元従業員などから東京地裁へ破産を申し立てられ、8月18日に破産手続き開始決定を受けた。

2025年の脱毛サロン倒産件数は過去最多更新か

帝国データバンクの調査では、2025年1~7月に倒産した「脱毛サロン(医療クリニックを含む)」は12件を数えた。前年同期(4件)の3倍増のペースで、年間合計でも過去最多を更新する見込みとなった。

倒産件数
(帝国データバンク提供)
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