「同級生の裸が見たくて…」「罪悪感で眠れない」。安易に《性的ディープフェイク画像》を量産する“未成年”。AI全盛時代に必要な対応は?
「裸の写真を作ったけど、アップロードして裸にしただけではネットで拡散されませんか? 作った瞬間、ネット上のどこかにアップロードされてたりしないでしょうか?」とX上で不安そうに相談している学生もいる。「怖くなってスマホの画像は削除しましたが、いきなり逮捕されたりしないのでしょうか?」。
このように、自分の行為が何らかの罪に問われるのかどうかを心配している若者も少なくない。
ただ所持しているだけではなく、そのような画像をSNSなどにシェアしたり、投稿したりしてしまう中高生もいる。ディープフェイクポルノ画像は加工した偽物とわからないことが多く、出回ることで被害者の名誉を深く傷つける。
ある女性は中学生だったとき、「○○ちゃんの変な写真が出回っているよ」と友だちから教わり、自分の覚えのない裸の写真を見てしまったことがある。あまり出来のいい画像ではなかったので周囲には偽物とすぐにわかったというが、今の技術ではそうはいかない。
「偽物とわかっても気持ちが悪くて、すごく傷ついた。いろいろな人に見られてしまってとても嫌な気持ちになったし、引きこもりになりそうになった。本物と思われたら、学校に行けなくなっていたかもしれない」
児童ポルノ禁止法違反で厳重注意を受ける未成年も
元々、安易に自分の裸を撮影して友人に送ってしまったり、友だちから送られてきた裸の写真をSNSでシェアしてしまったりして、警察に厳重注意を受ける子どもは少なくない。その結果、被害者が不登校になったり、転校を余儀なくされた例もある。
関係者は学校等に一人一人呼ばれて目の前でスマホ内の画像を削除させられ、すべての画像を消す対処をしたはずが、一人がこっそり隠し持っていた画像で数年後にまたトラブルにつながったこともある。
児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの製造、所持、提供などのすべてが処罰対象となる。つまり未成年の子どもが自分の裸を自撮りしたり、他人に送信したりする行為、他人から送られてきた裸の写真を送信・投稿したりする行為などのすべてが、違法行為に当たるが、安易に手を出して警察の指導を受ける中高生もいる状態だ。
最近は、小中学生でもスマホを所持し、SNSを利用することが多い。たとえスマホは持っていなくても、学校貸与端末を一人一台貸与されており、自由に利用することができることが影響しているのだ。そこにディープフェイクポルノ問題が加わり、問題はより一層大きくなっている。
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