金融庁が中古車販売大手ネクステージと保険専業代理店FPパートナーに対し業務改善命令へ、避けられない金融庁の監視強化

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それだけではない。オークション業者などを通じて仕入れた車両を社員が自前で転売したり、会社名義のパソコンを横領したりと、犯罪行為が疑われる不正も浮上している。コンプライアンス(法令順守)などの内部統制に重大な欠陥を抱えている可能性がある。

行政処分となれば、取引額の多い損保ジャパンに加えて、ネクステージの代理申請会社である東京海上日動火災保険や、タイヤパンク保証の費用補償をしているあいおいニッセイ同和損害保険などの保険会社も、代理店の管理・指導責任が改めて問われることになる。

顧客の適切な商品選択を阻害したおそれ

一方、保険代理店専業大手のFPパートナーをめぐっては、生命保険各社による広告料の提供や採用活動の支援、契約見込みのある顧客情報の無償提供といった便宜供与の実績を基に、顧客に優先的に推奨する商品を決めていた疑いがかねて指摘されていた。

そのため金融庁と関東財務局は、顧客の意向を軽視し、適切な商品選択の機会を阻害しているおそれがあると見て、昨夏から便宜供与などの実態調査に着手。生保各社が相場と乖離した多額の広告料を支払っていたり、その生保の商品を販売するとFPパートナーが販売成績評価の評点を大幅に上乗せしたりといった実態が判明し、さらなる調査が必要と見て、金融庁が2024年末から立ち入り検査に踏み切っていた。

金融庁
金融庁は2024年12月からネクステージとFPパートナーへの立ち入り検査を実施している(編集部撮影)

生保業界は過去に、保険代理店に対する過度な便宜供与や、キャンペーンと称した手数料の上乗せ行為に歯止めが利かなくなり、保険募集に関するガイドラインを見直して是正に努めていたはずだった。

FPパートナーはもとより、過度な便宜供与ですり寄ってきた生保各社についてもその「行儀」の悪さが改めて露呈することで、金融庁による監視の目が一段と厳しくなりそうだ。

東洋経済オンラインでは、特集「保険 異常事態」で、1年余りで3回もの行政処分が下る損害保険業界の異常事態を詳報しています。

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中村 正毅 東洋経済 記者

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なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

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