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日産自動車が「追浜」「湘南」の生産終了を決断 加速する構造改革の一方、経営再建には足りないモノも

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1961年に操業を開始した追浜工場。2011年度には28万台を生産していたが、翌年に2本あるラインのうち1本を停止。近年はピーク時から生産が半減していた(記者撮影)

湘南工場では商用車「AD」と「NV200」の委託生産を行ってきたが、今年10月にADの生産終了が決まっていた。今回、残るNV200の生産も2026年度に終了することを決定した。湘南工場のその後は日産車体が判断する。日産車体は「従業員の雇用を最優先に、あらゆる可能性を検討していく」とするものの、現状、売上高の98%を日産に依存しており工場や雇用の維持は容易ではない。

影響は日産だけに止まらない。東京商工リサーチによれば、日産グループの取引先は神奈川県で1757社に上る。今後、多くの部品サプライヤーも生産拠点の再編や人員整理を余儀なくされる。

神奈川県内に本社を置く一次請け部品会社の幹部は「国内の生産体制をゼロベースで見直していく。ほかの拠点を活用し雇用は維持したいが、一定数の早期退職を募集せざるをえない。取引先(日産の孫請け)の中には、県内にしか工場を持たない中小企業も多い。どこまで日産の支援があるのか」と不安を口にする。

エスピノーサ社長の今回の決断が、従業員や取引先、地域経済に大きな痛みをもたらすのは間違いない。だが、「やらなければいけない」との言葉通り、日産の経営再建には不可欠だといえる。

日産の存続には一刻も早い止血が必須

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