「なぜ先生が?」の裏に「年間約100人懲戒処分」の現実 “盗撮教師”がはびこる教育現場の闇

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私立高校の教員が女子生徒の背後に近づき、ニヤつきながら「背低めだね、ちょうどうちの奧さんと同じくらいの高さだよ〜」などと呟く、明かなセクハラ行為を繰り返していた。その教員が校長だったのだ。

この件は、同校が生徒を対象に行ったアンケートにセクハラに遭った女子生徒が答えたことで表面化した。これを問題視した教員の有志が学校側に対処を求めて学校側は調査を開始したが、そのメンバーが学校関係者ばかりの「身内の調査」でしかなく、問題は結局ウヤムヤにされてしまった。

この問題が報じられた直後の11月には、同校の教員が児童売春・ポルノ禁止法違反(買春)の容疑で逮捕されている。SNSで知り合った10代少女に現金を渡してわいせつ行為にいたった、というものだった。

「なんで先生が?」が「また先生か」になる前に

校内でのセクハラ行為、そして買春と、どれも「なんで先生が?」という感想をもたれる事件である。しかし、現実に起きている。「なんで先生が?」ではなく、「先生でも」になり、今回の盗撮事件によって「また先生か」という受け取り方になっていくかもしれない。

多くの真面目な教員にしてみれば、迷惑千万な流れである。しかし、多くの真面目な教員にとっても無関係ではない。学内で性暴力を許し、性暴力を起こす教員を放っておいた責任は、多くの真面目な教員にもある。盗撮事件をきっかけにすべての教員が、学校のあり方をもう一度考えてみる必要に迫られているのではないだろうか。

前屋 毅 フリージャーナリスト

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まえや つよし

1954年、鹿児島県生まれ。立花隆氏、田原総一朗氏の取材スタッフ、『週刊ポスト』記者を経てフリーに。著書に『学校が合わない子どもたち』(青春新書)、『学校が学習塾にのみこまれる日』(朝日新聞社)、『ほんとうの教育をとりもどす 生きる力をはぐくむ授業への挑戦』(共栄書房)、『ブラック化する学校 少子化なのに、なぜ先生は忙しくなったのか?』(青春出版社)、『教師をやめる 14人の語りから見える学校のリアル』(学事出版)など。

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