「北斗星」の機関車は、当初オレンジ色だった 「ブルトレ」を追い続けた写真家の回想
ブルートレイン第1号は、1956年に東京―博多間で運行開始した「あさかぜ」だ。当初は一般の客車による運転だったが、登場から2年後の58年に、全車冷暖房完備の新型客車20系が投入された。1等寝台(A寝台)、2等寝台、1等座席、食堂車などを備え、「走るホテル」と呼ばれた。
「さくら」は1959年7月に「あさかぜ」に次ぐブルートレイン第2号として、東京―長崎・佐世保間に登場した。当初は20系客車を使用していたが、後に床下に電源装置を持つ14系客車を使用して分割運転が容易になった。
1960年には「さくら」のキャンペーンとも思える「大いなる驀進」(2012年DVD化)が東映で映画化された。ロケ専用の臨時「さくら」が運転され臨場感のある迫力ある映像となった。
昭和50年代に空前のブルトレブーム
歴史ある名列車「富士」がブルートレインとして復活したのは1964年。
東京― 西鹿児島間1574.2キロを24時間以上かけて走る日本最長距離の特急列車となった。富士山のヘッドマークに魅せられ多くのファンに支持された。
九州方面、西日本の各地を結ぶブルートレインはその後「はやぶさ」(東京―西鹿児島)、「みずほ」(東京―熊本・長崎)、「出雲」(東京―出雲市)「瀬戸」(東京―宇野)のほかに、「いなば」「紀伊」などの地方都市を結ぶ列車も誕生した。関西方面からは「日本海」(大阪―青森・函館)、「あかつき」「明星」「なは」(新大阪―西鹿児島)なども登場した。
一方、北国へ向かうブルートレインでは「あけぼの」(上野―青森)、「ゆうづる」(上野―青森)、「北陸」(上野―金沢)や「はくつる」「鳥海」「出羽」なども誕生して、1987年に国鉄が民営化され、青函トンネルが開通すると「北斗星」(上野―札幌)が運転を開始した。
珍しい写真がもう1枚ある。青函トンネル内を走る北斗星の写真だ。むろんJR北海道当局の立ち会いの元の撮影である。暗いトンネル内でストロボなしに走る列車を撮影することは難しい。しかし、暗いトンネル内でフラッシュをたくのは、運転士にとっては危険極まりない。
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