「インスタグラム広告」は、効果があるのか レスポンス率はFacebookの3倍との調査も

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2015年6月、インスタグラムとニールセン、ニールセン・ブランド・エフェクトの3社が発表した共同リサーチによると、500近いオンライン広告キャンペーンの平均的な広告想起(アド・リコール)率と比較して、インスタグラムのスポンサード投稿は2.8倍も高かった。また、ソーシャル分析企業のシェアラブリーが最近発表したデータでは、インスタグラムの広告は、FacebookやTwitterのそれよりも、カスタマーのレスポンス率が3倍も高いと結論づける。

API公開以降は広告主に多様性が出てきた。宝石メーカーのベラッジオから、オークションで購入できるフランス系ファストファッションのRad.co、ワイン購入サービス会社のクラブ、デート・アプリ「Happn(ハップン)」など、ありとあらゆるカテゴリーの広告がインスタグラムを賑わす。

「われわれと同様に、あらゆる点ですばらしいプラットフォームだ。そのコミュニティでの接続率は大変高くて、都会的で質の高い経験や最新のトレンドを注意深く探すのにうってつけだ」と、アプリ「Happn」のメディアリレーションズ責任者のマリー・コースナルド氏は語った。

1カ月間に渡りインスタグラムで広告を配信したところ、パリやロンドンやロサンゼルス、サンフランシスコやサンパウロで300万人以上のユーザーに閲覧されたという。アプリのダウンロードやユーザー登録につながった割合は84%に達した。

適切な配信をすれば効果が大きい

Rad.coでも同様の取り組みを実施した。「純然たるネイティブなスタイルで、エンゲージメントを最大化できた。それが目標だったのだ。ターゲティングやオークション、登録・購入のようなコンバージョン機能をもたせ1000人当たりの広告費用を最適化するレイヤーを追加すれば、さらなる飛躍となるだろう」と、同社のデジタルマーケティング責任者である、ジェレミー・インカオーア氏。

広告代理店キャンベル・エワルド社にて、デジタルメディアディレクターを務めるデビッド・スペンサー氏は「適切な配信をすれば、インスタグラム上での広告は、さり気ない自然な形で訴求力のある写真とブランドイメージを統合してくれる」と語る。「向こう半年で、広告主がどのようにしてインスタグラムのオーディエンスとエンゲージするか、楽しみだ」

マーケティング・リサーチ企業eMarketerが7月に発表した予測によると、インスタグラムの世界全体におけるモバイル広告売上は2015年に5億9500万ドル、17年には28億ドルに達するという。同社を保有するFacebookの広告売上の10%以上を満たすことになる。

このレポートでは、同業他社との競争を強いられるものの、ブランド企業は深くインスタグラムに関心を抱いており、同社のモバイル広告の未来は明るいと、結論付けていた。

Tanya Dua(原文 / 訳:南如水)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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