どこの会社も"パーパス"ばかり… 多くの日本企業が陥っている「パナソニック病」の正体
中編:"松下ウォッチャー"が看破する、パナソニックが「人員削減を繰り返す会社」へとなり果てた根本理由
(外部配信先ではハイパーリンクや画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください)
パーパス作って魂入れず
今や、いつものとおりの横並び現象で、日本企業はどこもパーパスに酔っている。経営者たちは「社員たちも気に入っている」と口をそろえて言う。
「社内アンケート調査」では、アメリカの大統領選挙に関する世論調査のごとく、本音を言わず、多くの社員は「良い」と回答しているのだろう。本当は、社歌斉唱や社是唱和のように、「給料の一環だからしようがないな」くらいにしか思っていないのではないか。
今回の1万人削減においても、楠見氏は「私は社員の理解を得るよう、丁寧に説明を続ける」としているが、「丁寧な説明」の表現と内容、そして説明方法はどのようなものなのか。それをリストラ対象となる社員とその家族は、どのように受け止めるだろうか。興味津々である。
このような論点は、データサイエンス重視、AI(人工知能)活用の時代において、些末で非合理なこととして避けられがちだ。だが、野中郁次郎・一橋大学名誉教授が提唱した「知識創造理論」から発想すれば、表現力の劣化は企業競争力の劣化につながる。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら