自動車メーカーの「F1参戦」が目立つワケとは? ホンダエンジン搭載で注目されるアストンマーティンから読み解く

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「アストンマーティンが、2026年シーズンからHRCのパワーユニットを搭載すると聞いたときは、興奮しました。このチームの居場所をグリッド最前列にしようというローレンス(ストロール)の決定はすばらしいことです」

鈴鹿サーキットでそう語ったのは、メルセデスF1チームでパワートレインの開発を担当し、2014年から2019年の黄金時代の立役者となった、アンディ・コーウェル。2025年シーズンからアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームのCEO兼プリンシパルを務める人物だ。

鈴鹿サーキットでインタビューに答えてくれたアンディ・カウエル氏(筆者撮影)
鈴鹿サーキットでインタビューに答えてくれたアンディ・カウエル氏(筆者撮影)

アストンマーティンのために車体設計を担当する名デザイナー、エイドリアン・ニューウェイとともに、2026年から実施される新レギュレーション下で、一気にアストンマーティンをトップグループに引き上げる責務を負っている。

「参戦にもうひとつ、理由があるとしたら……」。2025年4月に鈴鹿サーキットで開催された日本グランプリの会場においてそう語ったのは、アストンマーティン・レーシングと同じ傘の下で、量産車を担当するアストン・マーティン・ラゴンダのアジア地区プレジデントを務めるグレゴリー・アダムズ氏だ。

「アストンマーティンは、スポーツカーメーカーでレースともイメージが近いため、市販車のイメージアップにつながるでしょう。スポーツカーを愛する層は、往々にして性能をベースに車両のピラミッドを自分の中に構築することがあります。自分の乗るスポーツカーはベースのほう、頂点はF1マシンなのです」

目論見はうまくいくのか?

「アストンマーティンは、つねにパフォーマンスとラグジュアリーのバランスをとって製品づくりをしています」とするアダムズ氏が挙げるのは、アストンマーティン「DBX」。

こちらも、メルセデス・ベンツと1レースごとに交代で、F1レースでのペースカーとして走らせている。「これもイメージアップに大変、役立ちます」という。

アストン・マーティン「DBX707」のペースカー(写真:Aston Martin)
アストン・マーティン「DBX707」のペースカー(写真:Aston Martin)

5mを超える全長の車体に、パワフルな4.0リッターV型8気筒エンジンを搭載したハイパフォーマンスSUVのDBX。加えて、前出のニューウェイが空力を担当した6.5リッター12気筒をミドシップした「ヴァルキリー」と、4.0リッターV8+プラグインハイブリッドのミドシップモデル「ヴァルハラ」のデリバリーも予定されている。

果たしてF1とともに、アストンマーティンの目論見の数々は、うまくいくのだろうか。この先2026年シーズンで、答え合わせをしてみたい。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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