自動車メーカーの「F1参戦」が目立つワケとは? ホンダエンジン搭載で注目されるアストンマーティンから読み解く
アストンマーティンは、1913年に自動車レースに情熱を燃やすイギリスの若者が創業。第二次世界大戦前はヒルクライムやル・マン24時間レースで活躍し、戦後は1959年と1960年にグランプリ(F1)にも参戦した。
ル・マン24時間はいまにいたるまで、同社にとって重要なレースであり続けている。
F1への投資は収益になる
現在のアストンマーティンF1チームは2018年から参戦している。当初はレッドブルをタイトルスポンサーにした「アストンマーティン・レッドブル・レーシング」という名で、車体にロゴが掲載されているだけだった。
コンストラクター(ワークスチーム)となったのは、ローレンス・ストロールをボスに抱いた後、2021年シーズンからだ。

投資家グループの一員としてアストンマーティンを買収し、同時にそれまで自分がオーナーだったF1の「レーシング・ポイント」(破産した「フォース・インディア」を改称)をアストンマーティン・ワークスとしたのは、「ブランド力だ」とストロールはインタビューで述べている。
彼と彼のユー・ツリー・コンソーシアムが2020年以来、アストンマーティンに投資した額は6億ポンド(1英ポンド=188円として約1128億円)。「この先、投資に見合う見返りがあると信じての決断だ」とストロールはいう。
2025年3月には、さらに5250万ポンド(約99億円)を投資すると発表。持ち株比率は33%にまで上がることになる。
目的は、言うまでもなく収益だろう。F1の人気が高まるにつれ、スポンサーを募りやすくなっているのは事実。
F1では年間成績によって、商業収益から分配金がコンストラクターごとに支払われる仕組みで、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワンチームが2024年に受け取ったのは、7900万ポンド(約149億円)といわれている。

並行して、車体のステッカーでわかるスポンサー企業からも収益が入る。成績がよければ、企業の数も額も増える。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら