日経平均「7万円」到達も決して夢物語ではない? 2000年代のドイツの事例から考える。日本企業にも前例あり

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なぜドイツ市場は大幅に上昇したのでしょうか?

その背景には、上場企業による株主価値の拡大、すなわち時価総額の最大化への取り組みがありました。具体的には、投資家やアナリストの評価を意識し、「事業の集中と選択」を積極的に進めたのです。

企業は競争力を失った事業を売却し、不採算事業を縮小する一方で、自社の強みがある分野に経営資源を集中させました。これらの取り組みの結果として、株価が上昇したのです。

日本企業にもできる?

日本企業にそんなことができるのか、という疑問の声が聞こえてきそうですが、すでに立派な前例が存在します。日立です。

日立は2016年以降、日立化成や日立金属など8社の上場企業を売却しました。その際の判断基準は明確でした。たとえ黒字事業であっても、一定の収益基準を下回る場合や、コア事業でないと判断された場合は売却対象となったのです。

一方で、コア事業においては積極的な買収を展開しました。一例として、米国のIT企業「グローバルロジック」社を1兆円で買収しています。

日立の株価を見てみましょう。2016年に500円前後だった株価は、現在では3500円程度まで上昇しています。約7倍です。経営改革の成果が如実に表れていることがわかります。

現在の日本企業は、2000年代のドイツと同様の経営環境に置かれています。今後、事業の集中と選択を進める企業が増えれば、第二、第三の日立が誕生する可能性は大いにあります。

そしてその結果、ドイツと同じ道をたどって、日経平均株価が7万円に到達することも決して夢物語ではないと考えています。

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田口 れん太 マーケットアナリスト

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たぐち れんた / Renta Taguchi

日本証券アナリスト協会検定会員。

機関投資家向け日本株営業担当として25年超の経験をもつ。1988年、早稲田大学卒業。1990年より大和証券ジュネーブ支店、UBS証券、メリルリンチ証券、バークレイズ証券等に所属し、機関投資家やヘッジファンドのファンドマネージャーから高い評価を得る。

2006年、アジアマネー誌にて日本株ベストセールス1位となる。2015年よりみずほ証券に所属し、個人投資家向け株式講演、YouTubeチャンネル出演等に従事。わかりやすい講義が個人投資家より人気を集める。2023年、独立。

現在は個人投資家向けに株式講演を行う。カブの被りものを被って講演するスタイルが人気を博している。2018年より日本証券新聞にて投資コラム「私の尻馬投資法」を連載している。

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