ネットとリアルをつなぐGoogleの戦略・担当者に聞く[前編]《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
社内の他部門の社員から提携先の企業の人を紹介してもらうところから始めたが、本当に時間がかかる。まるでRPG(ロールプレイングゲーム)のようだった。あの人に会うといいと言われてお会いしたら、僕だけで判断できないからこの人と話してくれ、というように。時間がかかるため、多くの企業には声をかけられなかった。
--リアル企業に営業をかけるうえで、課題は何ですか。
語弊がないように言いたいが、普段一緒に仕事をしているオンラインの人に比べるとネットに対する理解度は当然高くない。ネットを利用することで、彼らのビジネスにいかに貢献できるかというような話から入らなければならない。
ネットの価値を理解してもらうのは大変で時間もかかる。理解してもらった後も、各店舗で何をいくらで売っていて、どれくらい在庫があるかという情報を、少なくとも1日1回提供してもらう必要がある。できる企業は限られていて、ハードルは高い。
--企業によっては、在庫情報のような重要情報は基幹システムで管理していて提供が大変そうですね。企業側の負担になるのではないでしょうか。
比較的簡単にできるところもあったが、おおむね大変。コストは企業によるが、数百万円でできる場合もある。このサービスのためにというよりも、もともと基幹系システムをリニューアルしようと思っていたので一緒に対応する企業もある。
確かに企業側の負担になるが、その代わりこのサービスの利用自体は、無料で一銭も課金はしていないし、課金する予定も一切ない。
今後さらに、企業がローカルショッピングを利用したくなるような付加価値を加えていきたい。今は、ローカルショッピングに登録されている商品情報はローカルショッピング内でしか利用していないが、Googleの他のサービスにも活用を広げていきたい。
たとえば、インターネット広告「アドワーズ」で、ローカルショッピングに登録されている商品画像が表示されるようになるなど。オンラインショッピングでは対応を始めているので、ローカルショッピングでも同様の価値を提供したい。