中国リチウム大手、赤字でも資源開発続行の強気 贛鋒鋰業、原料の「自給率」引き上げにこだわり

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贛鋒鋰業は2024年の通期決算が上場以来初の赤字に転落したが、資源開発の手を緩めない方針だ。写真は同社が開発権益を持つアフリカのリチウム鉱山(現地開発会社のウェブサイトより)

EV(電気自動車)用電池の主原料であるリチウムの相場低迷が、中国のリチウム大手、贛鋒鋰業(ガンフォン・リチウム)の業績を圧迫している。

同社が3月28日に発表した2024年の通期決算では、売上高が189億600万元(約3915億円)と前年比42.7%も減少。純損益は前年の49億4700万元(約1024億円)の黒字から20億7400万元(約429億円)の赤字に転落した。贛鋒鋰業にとって、通期決算の赤字は2010年に深圳証券取引所に上場して以来初めてだ。

約170億円を減損処理

非鉄金属情報サイトの上海有色網のデータによれば、2024年のリチウム相場は年初の1トン当たり9万6500元(約200万円)から、年末には同7万5000元(約155万円)に値下がりし、1年間の下落幅は20%を超えた。

贛鋒鋰業は基幹事業である(電池原材料の)リチウム化学製品とともに、電池セルや電池パックの製造も手がける。決算報告書によれば、2024年の売上構成はリチウム化学製品が約6割、電池セル・電池パックが約3割だったが、いずれも販売価格が(リチウム相場に連動して)大幅に下落した。

それだけではない。損益計算書には在庫評価損として3億3900万元(約70億2000万円)、売掛金および長期投資資産の評価損として4億7900万元(約99億1900万円)の減損引当金が計上されており、両者の合計額は純損失の約4割に相当する。

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