縮少する国内自動車マーケット “外弁慶”スバルが挑む国内販売テコ入れ大作戦

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スバル保険の契約数は順調に増えている。レッカー移動無制限の新プランは、年間1・5万件の目標を十分に達成できるペース。それまで年間2000件程度だった独自保険の加入者数からは飛躍的な伸びとなっている。

次に打ち出したのが試乗改革だ。「販売店は敷居が高い。一人でも多くの人に乗ってもらってスバル車のよさを実感してもらいたい」。こう話すのは飯田政巳・国内営業本部長。従来、試乗には事前予約が必要で、試乗後には販売員からの営業攻勢が待っているのが当たり前。気軽に販売店に来てもらい、試乗してもらうことはできなかった。が、アイサイトやスバル車のよさを体感してもらうには、実際に運転してもらう必要がある。

そのため事前予約を廃し、試乗後に押し売りはしないと宣言。とにかくスバル車に気軽に楽しく、まず乗ってもらう試乗キャンペーンを始めた。「CMで乗るだけOKと宣伝していて半信半疑だったが、しつこい営業もなかった。今は(車を)買わないが、いつかスバル車に乗りたいと思った」。販売店に訪れた20代の会社員は笑顔で語った。

「インプレッサ効果と試乗キャンペーンの相乗効果は大きい」と冒頭のスバル三鷹店・山本竜夫店長。気軽に販売店に立ち寄り試乗できることが、来店者数増加につながっていると山本店長は実感している。

そして、中期的な効果を期待して昨年10月に導入したのが販売員向け資格制度だ。整備士など技術者には国家資格や社内資格があるが、販売員の資格制度は、一部輸入車メーカーで導入例があるものの、日系では初の試みとなる。スバル車に関する筆記試験や販売員としてのスキルを学ぶ研修を通じて級位を認定していく。実際の級位認定は12年半ばから開始し、給与にも反映させる。

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