風が吹けば桶屋が儲かり、トランプ関税で「玉木首相」爆誕? 仰天シナリオまで飛び出した《永田町の混沌状況》

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しかし、政権運営に強い影響力を持つ自民党の森山裕幹事長が、4月8日の首相との秘密協議で「減税をやったら党が割れる。物価高には国民一律での3万~5万円の現金を給付すべきだ」などと説得。石破首相もあっさりと減税を断念し、現金給付に軌道修正したとされる。

こうした首相の“迷走”については、野党だけでなく政府・与党内からも「首相としての発言が余りにも軽すぎる。そんなことでは国難に対処できるはずがない」(自民党長老)との不信・不満が相次ぐ。

問われる宰相としての「見識」と「器量」

そうした状況下、4月14日午前に開かれた衆議院予算委員会の集中審議では、質問に立った立憲民主党の野田代表が「トランプ関税」をめぐって「日本経済にとっても重大な危機だ。経済好循環のシナリオが根底から崩れかねない」と石破首相の見解を質した。

これに対して石破首相は「経済も安全保障も日米・日中関係も含めて構図が一変した。これにより、今までは問われなかったことが問われているから『国難』と言った」との危機意識を力説。野田氏も「国難を突破するには、野党第1党としても(石破政権を)後押しする用意がある」と、挙党一致で対応すべきとの認識を示した。

政府は4月16日に首相最側近の赤沢亮正経済再生相をアメリカに派遣し、関税をめぐる日米交渉を進める方針だ。ただ、交渉団メンバーとして赤沢氏を支える霞が関の担当官僚は「最終的には日米首脳会談での協議が必要で、事前に首相が明確な方針を示さないままでの交渉では成果は期待できない」(経済産業省幹部)と首を傾げているとされる。

政界関係者の間では「『国難』に対応するために今、問われているのは、宰相としての『見識と器量』」との声が相次いでいる。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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