首都圏のJR「年越し大回り」150円30時間超えの旅 39本の列車乗り継ぎ1035km、SNS通じ挑戦者が続出

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ここまでは順調だった「年越し大回り」の行程も、東金駅からはトラブルにも遭遇した。「外房線の土気―大網間で竹が倒れて線路が塞がれた影響で、東金駅でしばらく停車する」というのだ。東金線の列車は15分ほどで運転を再開したものの、到着した大網駅では大幅なダイヤの乱れにより駅ホームで1時間半近くにわたって上総一ノ宮行の到着を待つことになった。

その後、遅れてやってきた上総一ノ宮行に乗車するが、茂原駅では後続の京葉線から直通してくる上総一ノ宮行のほうが早く到着し、房総半島を半周する木更津行にも接続するという車内放送が流れたことから、ここでまた乗り換え。上総一ノ宮駅には10時40分頃に到着した。

上総一ノ宮駅では、車両数が10両編成から2両編成となり、木更津行の列車には200人以上の「年越し大回り」組に地元客を加えた総勢300人ほどの乗客が乗り、すし詰め状態となった。「年越し大回り」組は、ここから房総半島南部の館山駅を経由して君津駅までの3時間14分を乗り通すが、途中の駅では、身動きが取れないほどの車内の様子を見て驚いた表情をする駅員さんの姿も見られた。

昨年よりも参加者は増えている

房総半島を半周して到着した君津駅からの列車は15両編成となりすし詰めの混雑から解放される。ここからはゴールの馬橋駅までの終盤の行程だ。君津駅からは内房線で蘇我駅に向かい、そこから京葉線や中央線、山手線などの首都圏の主要路線を巡り馬橋駅には18時過ぎに到着した。

当初の計画よりも1時間40分遅れとはなったが、駅有人改札口では150円の初乗りきっぷを提示し、記念に持ち帰りたい旨申告する挑戦者が続々と来ていた。改札口で駅員さんに話を聞いたところ「今年の年越し大回り乗車のかたは今の時間までで150〜200人くらいは戻ってきており、去年よりは人数は増えていると思う」と話してくれた。終電まではまだ6時間近くを残しており、完走者はまだまだ増えそうな雰囲気だった。

山梨県からの菊池親子も18時過ぎに馬橋駅にゴール。改めて、幸一君に話を聞いたところ「年越し大回りはあこがれだったので、すべてが新しく見えてワクワクしてとても面白かったです。途中の倒竹トラブルはヒヤヒヤしたし、房総半島の2両すし詰めは今回の旅の中で一番つらかったけど、初日の出はキレイだったし年越しも楽しかったので、来年もまたやりたいです!」と目を輝かせて話していた。

馬橋駅で「年越し大回り」を完走した菊池親子の乗車券(写真:菊池三奈)
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櫛田 泉 経済ジャーナリスト

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くしだ・せん / Sen Kushida

くしだ・せん●1981年北海道生まれ。札幌光星高等学校、小樽商科大学商学部卒、同大学院商学研究科経営管理修士(MBA)コース修了。大手IT会社の新規事業開発部を経て、北海道岩内町のブランド茶漬け「伝統の漁師めし・岩内鰊和次郎」をプロデュース。現在、合同会社いわない前浜市場CEOを務める。BSフジサンデ―ドキュメンタリー「今こそ鉄路を活かせ!地方創生への再出発」番組監修。

 

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