「営業増益幅が大きい」70社ランキング 1位ソニー、2位はNTT、3位日産

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たとえばランキング1位のソニーは、2915億円の大幅増益を見込んでいるが、2015年3月期に実施した人員削減や不採算のパソコン事業撤退など、構造改革効果が大きい。また、同社は米国会計基準を採用しているため、前期のモバイル事業における営業権の減損損失がなくなるだけで、1760億円の営業増益要因となる。

増益額2位に入ったのは、子会社のNTTドコモが利益の5割強を稼ぐ収益構造となっている日本電信電話(NTT)。新料金プランによる値下げなどで前期苦戦したNTTドコモが復調するほか、光回線の販売費抑制も貢献し、大幅増益となる見込みだ。

自動車メーカーも上位に

3位と4位には、それぞれグローバルの新車販売で過去最高台数の更新を見込む日産自動車と富士重工業がランクイン。海外販売比率の高い両社は、円安効果も利益水準を押し上げる。特に、北米で「レガシィ」などが人気の富士重工業は、4期連続で最高純益を更新する見通しだ。

5位の三菱ケミカルホールディングスと16位の日本ペイントホールディングスは、M&Aが増益の主要因だ。三菱ケミカルは14年12月に工業用ガス大手の大陽日酸を子会社化。16年3月期は同社が通期で業績に寄与することから、のれん償却を考慮したとしても、約210億円の増益につながる。日本ペイントは、アジアの持ち分会社を連結化したことで、約330億円の上乗せとなる。

6位のヤフーは、8月にアスクルを連結化したことに伴い、株式再評価益で596億円が上乗せされることが大幅増益に寄与する。

営業増益額が大きい「儲かっている」企業といっても、その実情は千差万別。それぞれの事業を精査して、利益の質が高く、中長期で成長を続けられる会社を選別することが大切だ。

26位以下を含む70社ランキングはこちら(四季報オンライン)をご覧ください。

(週刊東洋経済2015年9月26日号「投資の視点」から転載)

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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