公明が国民民主に急接近、「自公連立」の賞味期限 四半世紀にわたった"蜜月"は終わりを迎えるか

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第2次安倍晋三政権についての最初の世論調査は2013年1月に行われた。このときの内閣支持率は64%、不支持率は22%だった。内閣支持率と不支持率が逆転したのは政権発足から31カ月後の2015年7月で、第2次安倍政権は7年8カ月(92カ月)の長期にわたって存続した。

2020年9月に発足した菅義偉政権は、内閣支持率62%、不支持率13%と高い人気でスタートした。しかし、わずか4カ月後の2021年1月に内閣支持率と不支持率が逆転し、菅政権はわずか1年1カ月(13カ月)で終わっている。

2021年10月に発足した岸田文雄政権の当初の内閣支持率は49%で、不支持率は24%だった。内閣支持率と不支持率が逆転したのはそれから11カ月後の翌2022年9月で、岸田文雄政権は約3年間(36カ月)存続した。

このように安倍、菅、岸田の各政権の動向を見てみると、奇遇にも「政権の存続期間=政権発足時から支持率が不支持率を下回るまでの期間×3」という計算式がほぼ成立する。とすれば、2024年10月に内閣支持率44%、不支持率32%で発足した石破茂政権の寿命は、3カ月後の翌年1月には内閣支持率39%・不支持率40%と逆転したことから、約9カ月と推測でき、計算上は参院選の頃に終わりを迎えることになる。

生き残りを懸けた“夏の陣”がやってくる

もっとも、2月上旬に行われたアメリカのドナルド・トランプ大統領との会談の成功で、石破内閣の支持率はやや好転。年内にトランプ大統領が来日することも約束され、これを弾みとして石破首相は参院選をなんとか乗り切りたい意向だろう。

だが、それに公明党が頼るかどうかは別問題だ。公明党としては自民党とともに沈むつもりはないが、とはいえ自民党から離れるわけにはいかない。

ならば、新たな勢力を引き入れる必要がある。しかも政策的に親和性があり、選挙で競合しない相手となれば、答えは自ずと明らかになる。

公明党による国民民主党への接近は、政策に少なからぬ影響を与えるだけにとどまらない。各党の生き残りを懸ける“夏の陣”は、間もなくやってくる。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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